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「ジェレミー……ジェレミー、すまなかった……!」  絞り出すような声でカシウスが謝罪の言葉を口にする。  力強く抱き留められた腕のなか、ジェレミーは首を振った。  もう、いい。  そんなこと、もういいのだ。  こうして無事再会できたことがいまはなによりうれしく、ジェレミーの瞳に涙があふれる。 「ニコラウスから聞いた」 「え……?」  その声に顔を上げると、カシウスの表情には後悔と苦悶がくっきりと刻まれていた。 「発情期中のおまえを襲ったのは自分だと……俺に屈辱を与えるために、ヤツはわざわざ俺にそれを打ち明けにきたのだ……ジェレミーすまない。俺はおまえにひどいことを、」 「殿下、もう、いいんです」 「しかし……っ」  なおも言い募ろうとするカシウスに、ジェレミーはここぞとばかりに笑ってみせた。  笑みを浮かべた拍子にぽろりと涙がこぼれる。  眉根を寄せて苦しむカシウスの姿が涙で滲んだ。自分のためにこんなにも心を砕いてくれている彼が愛しくて、そんな彼をこれ以上苦しませたくはなくて、いつものように言葉を返した。 「いいんですよ、本当に。その謝罪込みの、あの金貨の量ってことでしょう?」 「な、おま、……ジェレミー!」  いかにもジェレミーらしい冗談めかした物言いに、カシウスがまいったとばかりに天を仰ぐ。  その仕草が、愛おしくてたまらなかった。  ふたりは同時に吹き出し、またひたと抱き合う。

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