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できることならば、このままカシウスと存分に抱き合っていたかった。誤解も解け、互いに惹かれ合っていることはもう確認するまでもない。
しかしながら、いまはそれを許してくれる状況では決してなかった。
次にこちらを見下ろしてきた彼の眼差しは、すでに世継ぎの君のものとなっていた。
「うむ、ではそのことについてはあとにするか。わたしはわたしの務めを果たさねば。ゆくぞ、ジェレミー」
「はい!」
地下室の階段を駆け上がり地上へ出ると、城内の混乱はさらに大きくなっていた。
なによりまず王と王妃を救出せねばと、カシウスは城の主塔へと向かう。
小火の煙がただようなか、カシウスとともに走りながらジェレミーはヴィドールの姿を探した。マスカールの屋敷に集っていた味方の騎士たちは、あれから増えたであろうか……。
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