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第7話 楓の買い物・兄の務め

颯太のヒートが来そうで来ない。 抑制剤は飲んでいるけれど、どうしたものか。 今日は楓が嫁入り道具を選ぶから付き合ってほしいと言われている。 いや〜、自分で勝手に決めてもらっていいんだけどさ。 母が「相談に乗ってあげて」と言うんだよね。 「お母さんの方が良いんじゃない?」 「私はいつも迷っちゃうから結論が出ないのよ。だからお願いよ」 「そう言われちゃしょうがない。……そうだ、淳一を巻き込もう」 電話をかけた。 「淳一さ、今日はかわいい妹が一生の買い物をするからさ、 手伝いに来てくれない? もしかしたら颯太のヒートが来るかもしれないんだよ」 「どうしても?」 「当たり前だろう? 一生に一回だけだぜ」 「うん、わかったよ。付き合うよ。 その代わり早めにしてね、俺もデートだからさ」 「よし、優先順位で行くよ」 「楓、準備は良いか?」 「はい、OKです」 とりあえず颯太は留守番だ。 まず家具屋さんに行った。 気の利きそうな店員さんをつかまえて、 “大至急の買い回り”に付き合ってもらうようお願いした。 お届けは全部、4月28日の午前でお願いした。 楓に伝票を先に書かせる。 ◆ 家具屋で買ったもの 1. 固めのセミダブルとダブルベッド 枕、カバー、ベッドシーツ、ベッドパッド、 布団、掛け布団カバー 2. ナイトテーブル 1個 3. 同じシリーズのチェストと鏡台(椅子つき) 4. ソファ 5. センターテーブル 6. 書斎に置く本棚 7. 同じシリーズの学習机と椅子 8. ナイトテーブル用スタンドライト 1個 9. フロアスタンド 2個 10. 学習机用スタンドランプ 11. テレビ台 次に家電店へ。 ◆ 家電店で買ったもの 1. 小さな冷蔵庫 2. 電気ポット 3. テレビ 4. 電子レンジ 5. トースター 「なんでトースターや電子レンジがいるの?」 「だってさ、夜勤明けで寝る前に微妙にお腹がすくことがあるでしょう? 家政婦さんを起こしたくないし、気を使うし。 冷凍でも入れておけば、温めて食べられるから良いのよ」 「あ、そう。大変だねえ」 というわけで、冷蔵庫の横に置くラックも買った。 はい、これですべて兄の務めを果たしました! あとは勝手にしてくれ。 気づけば夕方近くになっていた。 急いで帰らないと、颯太がヒートを起こしているかもしれない。 帰宅すると、颯太は横になっていた。 「颯太、大丈夫か? 調子が悪い?」 「悪いってほどじゃないんだけど、なんだか怠いの」 「うん、じゃあ寝てて。ちょっと着替えてくるからね」 これは来るな……準備しないといけない。 いそいそと必要なものを揃えた。 そうだ、ご飯を炊こう。 おにぎりを作っておこうかな。 炊ける間に汁物も作っておこう。 水分も必要だ。 「颯太、ちょっとシャワーを浴びておこう。 連れてってあげるから」 「うん……」 でも、だるそうにしている。 しょうがない。抱えてやった。 身体を洗ってやらないと駄目だな。 一番大変なのは颯太だ。

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