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第8話 桃香ちゃんち
ー紗奈サイドー
颯太兄さんから連絡があって、
「遊びに行ってごらん」と言われた。
「香菜、颯太兄さんが言うには、
桃香ちゃんって結構有名人の娘なんだってよ」
「へえ~。私にもメールが来たよ。
隣の浅田タワーに引っ越して来るんだって。
ご近所さんなんだね」
「ねえ、珍しくない?
だってさ、隣のタワーは浅田工業の会社で、
マンションじゃないと思ったけどなあ」
「だよね? まあ、その辺を聞いてみようか」
「うん。今日は菜の花病院に住んでるそうだから、
2時に着けばいいんだよ」
「SPさん、2時に着きますか?」
「はい、お任せください」
「じゃ、乗るよ。香菜も乗って」
「OK」
2台の車を連ねて向かった。
赤坂から車で25分くらいで着いた。
わあ……菜の花病院って大きな病院じゃん。
どこに停めるんだろう?
きょろきょろしていると、
「紗奈、あそこで手を振ってる人がいるんじゃない?」
香菜が気が付いてくれた。
「あー本当だ。ちょっと待ってようか」
そしたら、走って来てくれた。
家族3人だ。仲良しなんだね。
お父さんが話しかけてくれた。
「こんにちは。立花颯太さんの妹さん?」
「はい、そうです。私、紗奈で大学1年です。
こっちは妹の香菜で高校2年です」
「そうなんだ。よく来てくれたね。
俺が桃香の父親で、この病院の院長です。
こっちは妻の莉子で、画家です。
そして桃香は中学3年です。よろしくね」
桃香ちゃんがニコニコしていた。
お母さんが、
「うちにおいでよ。私が作ったおやつがあるのよ」
「はい、ありがとうございます。車どうしよう?」
と困っていたら、
「あ、いいよ。ちょっと話して来るよ」
お父さんがSPさんと話をしてくれた。
SPさんが駐車場に車を入れたら、
一緒に桃香ちゃんちまで行くことになった。
「いつもSPさんの車に乗ってるの?」
とお母さんに聞かれた。
「はい、そうです。私と香菜も1台ずつで、
別々に乗ることになってるんです」
「へえ~、そうなんだねえ。初めてだから新鮮だわ」
お母さんが感心していた。
みんなが揃ったら、
4階建てのビルのエレベーターに乗った。
SPさんだけで4人いるから、
全部で9人が乗るとぎりぎり。
びっくりだね。
「あのね、このエレベーターはカードキーがないと
3階と4階には止まらないのよ。
だから安全なのよ」
お母さんが説明してくれた。
お父さんの判断で、SPさんも部屋の中で待つことになったらしい。
3階で止まって、家に入れてくれた。
「さあさ、皆さんお入りください。
SPさんはソファの方におかけください。
紗奈ちゃんたちはダイニングの方に座ってね」
「はい、ありがとうございます」
「桃香、ボトルのお茶とコップをSPさんにお出ししてね」
「はーい」
「あ、いいよ。俺がしようか?」
お父さんがSPさん達にお茶を出していた。
へえ~、お父さんでもそういうことするんだね。新鮮。
香菜は借りてきた猫みたいになっていた。
桃香ちゃんも緊張しているみたい。
「あのね、これカッサータっていうお菓子よ。
私が作ったの。食べてみてね」
「はい、ありがとうございます」
お母さんが薦めてくれて、みんなに配ってくれた。
白くてチーズケーキかなと思ったんだけど、
中にいろんなカラフルなフルーツが入っているから宝石箱みたい。
「これ美味しいよ」と桃香ちゃんも教えてくれた。
食べてみると、アイスのように冷たくて本当に美味しかった。
「桃香ちゃんは、いつもこんなふうにお母さんが作ってくれるの?」
「ううん、いつもじゃないよ。
今日は紗奈ちゃんたちが来るから作ってくれたんだよ」
「へえ~そうなんだ。ありがとうございます」
すごく気を使ってくれたんだ。
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