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第10話 紗奈と香菜の報告・1
紗奈と香菜が、菜の花病院の北原院長のお誘いで遊びに行った。
俺もなんだけど、颯太がどうだったんだろう?って
ソワソワしていた。
それで学校の帰りに、
会長室に来てもらえるかどうかメールした。
そしたら、
「お腹が空くから、ご飯を食べながらならいいよ」
だって。
ならいっそ佐久間家に来てもらって、
初顔合わせでもいいかな?と思ったんだよね。
急だったから、お寿司を頼むことにした。
住所を知らせればSPが連れて来てくれるから、本当に楽だ。
実家に帰ると、母が「お帰り〜」と待っていた。
「お寿司なんだって? やった〜」
と、無邪気なもんだ。
そのうちに楓や淳一、父も帰ってきた。
お寿司も届いた。
広げていると、「こんばんは〜」と紗奈たちがやって来た。
颯太が真っ先に迎えに行った。
「お帰り。あがって」
「こんばんは。初めまして」
颯太が早速紹介していた。
「こっちが姉の紗奈で大学1年。こっちが香菜で高校2年」
「よろしくお願いします」
ぺこんと頭を下げていて、ちょっと面白い。
父が「いらっしゃい。よく来てくれたね。ゆっくり食べてってね」
「そうよ、座ってね」と母。
にこやかに迎えてくれた。
「ええとね。こっちが俺の父で、佐久間病院の理事。
で、隣が母ね。
で、こっちはもうすぐ結婚する弟の淳一で内科医。
その横が妹で、同じ日に結婚する耳鼻科医です」
「すごいんですねえ。皆さん揃ってお医者さんなんですか?」
と紗奈。
「うん、そうだよ。大体は医者の家って跡継ぎが欲しいから、
子どもを医者にするんだよね」
「へえ〜、どこも大変なんですねえ……」
と言うから、皆で大笑いした。
「なんで? どっか大変なおうちがあったの?」と淳一。
「うん。昨日遊びに行った桃香ちゃんも、お医者さんの娘だからかな?
なんか医者になりたいんだって。
それで渋谷のSS学園の特待生なんだって」
「ええーーー??」
みんな一斉に叫んだ。
「それはさすがにすごいねえ」俺も感嘆した。
「ほう〜、菜の花病院も安泰だねえ。
もしかしたら東大出の旦那さんを見つけてくるかもしれないよ」と父。
「うわ〜すごいねえ。どんな教育してるんだろうねえ。聞きたいよ」と楓。
「だな。俺だって聞きたいよ」と淳一。
「まあまあ、乾杯でもして食べようよ」
俺がすすめても、あまり耳に入っていないようだ。
乾杯のあと、皆が菜の花病院のことを聞きたがった。
「まあまあ、待て。順番に聞かせてもらおうよ。
紗奈、最初はどんな感じだったの?」と俺。
「う〜ん、病院の壁の壁画がすごかった。
桃香ちゃんのお母さんが描いたんだって」
一瞬、シーンとなった。
「は?」と楓。
俺が説明した。
「あのね、北原院長の奥さんは莉子さんと言って、
世界的に有名な画家なんだよ。
それにイラストレーターもやってるし、
ゲームも作ってるみたいだよ。
インスタを見ればわかるよ」
そして病院の壁画の写真を見せた。
「はあ……」
またシーンとなった。笑う。
スマホでインスタも見せてやった。
その間に紗奈と香菜はパクパク食べていた。
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