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第26話 新しい材料たち

 夕べ、遅くに友谷くんとすべての廃棄品を処分した。 廃棄品は早朝に業者が来てくれるよう手配してある。 そして同じく朝一で、 菜の花フーズからどっさりと納品があった。 朝食はシンプルメニューにして、 パートさんにも納品の片づけを手伝ってもらった。 そんな中でもフーズの出汁と味噌を使った味噌汁が、 「うまーい!」と、皆で味見をしていた。 その間、俺はひたすら在庫品を仕舞ったり、入れ替えたりした。 係長はあちこちを見て呆然としていた。 驚きと不安で、何も手がつかないようだ。 全部無視だ。 そして昼食は、早速友谷くんが腕を振るった。 パートさんたちも「今日は何ができるんだろう?」と興味津々だった。 今日のメニューは和定食と洋定食の二本立て。 1. 和定食:鶏南蛮 2. 洋定食:サケのクリームソースがけ 3. うどん・そば(今日から冷やしも開始) 冷やしうどんやそばには、 鶏肉、金糸玉子、きゅうり、揚げ玉、 紅しょうが、ハムなど、 豪華にいろいろ乗っている。 定食の付け合わせも、心のこもったものだった。 前日のカレーの評判が広がったのか、 今日の昼食は一斉にみんなが押し掛けた。 俺も大忙しだった。 そして、ニヤニヤしながら父と楓たちがまたやってきた。 「兄さん、今日は何なの?」と淳一。 「今日は洋でも和でも外れないから安心して」 父がニヤリとした。 夜になると、俺は今までの仕入伝票や、 在庫票を照らし合わせ、 丹念に詰めていった。 もう大分手口が分かってきた。 監視カメラもチェックした。 しかし、俺が中に入っている以上、 しっぽは出さないだろう。 院長室の隣は倉庫にしていたが、 入院用のベッドを運んでもらい、 友谷くんの部屋にした。 患者用の大浴場もあるから、 そっちも利用してもらった。 友谷くんは厨房で、 明日の準備と発注をしていた。 今後はそれを誰に任せるか、だよな。 それが一番の宿題だ。 できれば、菜の花フーズから常時、 人を派遣してもらえないものか? まだこっちの人材が間に合わない。 平行して人材を募集した。 そして入職したら、 徹底的に学んでもらおう。 発注や料理を任せたい。 ここは社員食堂の厨房だ。 入院食を作る厨房はまだ別にある。 そっちも問題だ。 美味しいとは聞いたことがない。 友谷くんに聞いた。 「入院食の方も気になってるんだよね。 厨房が別にあるから、そっちも面倒を見て欲しいんだけど、 頼めるかな?」 「あ、はい、ちょっと会社に聞いてみますね。 スケジュール的に大丈夫なら、 やらせていただきますので。 うちの研究員が時間と労力をかけて作った、 渾身の入院用のレシピがあるんですよ」 「へえ~そうなんだ」 「はい、それを今どんどん業務用に、 作っているところなんですよ」 凄いよねえ。 それで、ここが終わったら、 入院食の厨房も見てもらうことにした。

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