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第30話 お疲れ様の夜*

 湯船に浸かって、颯太を前に抱く。 一番心が安らぐ時間だ。 「颯太、寂しかったね。ごめんね」 「ううん、いいの。明日いっぱい遊びたいな」 「うん、そうしよう。葉山に行ったことある?」 「ないの。俺、海とか誰も連れて行ってくれなかったの」 「え、そうなの?」 驚いた。そんな子がいるんだ。 「うん、ただ学校と家を往復するだけだったし、 これといって友達もいなかったし。 高校生になったらすぐ音楽事務所で仕事を始めたから、 遊ぶ時間がなかったんだ」 ___なんてかわいそうな子なんだろう。 「じゃあ、海に足をつけてみようか?」 ふふっと笑った。 「なあに?」 「海に足を浸けるって不思議。 足を浸けるとどうなるの?」 うわ~、そこからか。 「別にどうもならないけどさ。 ずっと浸けてると濃い塩水だし、足がふやけるよ」 「ふ~ん、そうなんだ」 「よし、明日は体験してみよう。 寝る前に明日の支度をしてから寝ようね」 「うん、わかった」 「さあ、上がろう。 お風呂も入りすぎるとふやけるよ」 「はーい!」 お風呂から上がったら、明日の準備を優先した。 海に足を浸ける……? きっと颯太のことだから、 浜辺で転んで全身ずぶぬれになるかもしれない。 余分にタオルや着替えを荷物に入れておいた。 「先生、俺準備できた!」 「うん、こっちもできたよ。 明日はね、8時に家を出ようか?」 「はい、了解。早く寝なくっちゃ」 警備会社にメールしておいた。 「よし、明日は6時起きだよ」 ベッドに入った。 「颯太、おいで」 腕を首の下に回すと、かわいい顔を見せてくれる。 抱き寄せてまた唇を重ねる。 俺が舌を入れると一生懸命応えようとする。 何回も交わして、ふと止まった。 可愛すぎる。 「颯太、キスが好き?」 「う、ん…‥と、内緒にしてもいい?」 ぷっと吹き出しそうになった。 「いいよ。じゃあ、内緒だ」 声にならない笑いで、お腹だけがすこし揺れる。 颯太の好きなキスを重ねていくと、 息も身体も反応して熱くなってくる。 「ふぁ、っ、」 首筋に舌でつーっと流していくと、 少し苦し気に颯太のあごが上がってくる。 すごく甘い匂いが漂ってきた。 なに?  なんの匂いだろう。 「颯太、すごく甘いにおいがするよ」 「‥‥‥わかんないもん‥‥‥」 身体中から立ち昇ってくる甘い匂い。 でもヒートの時の匂いとは違う匂いだ。 「下さわるよ」 「うん」 少しずつ撫でていく。 もうすごく反応している。 ローションを出して付けてやる。 「うっ、、、ふ、」 「颯太、もう、イっとこう」 「せんせい‥‥‥すき」 あ~告白された。 ふふふ、「俺も好きだよ。愛してるよ」 そのままイかせてやった。 「もっと進んでもいい?」 うん、とうなずいてくれた。 颯太をめちゃめちゃにしたい気持ちと、 大切にしたい気持ちがせめぎ合う。 下をそっと撫ででいると、 身体の方が欲しがっているようだ。 応えないと‥‥‥。 「颯太、かわいいよ」 背中の颯太の手がぎゅっと掴んだ。 少し横を向いたまま眉を寄せて口で息をしていた。 そしてそのまま、少しずつ重なった。 「はあ‥‥‥」颯太が深く息を吐いた。 「颯太、俺を見て」 そっと目を開けてくれた。 見つめ合ったまま、 両手を引っ張って上半身を起こした。 そしてぎゅと抱きしめた。 「颯太、愛してるよ」 ああ~今が一番幸せだ......。

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