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第51話 フィレンツェ・5つ星ホテルの夕飯は?

その後はホテルに戻った。 ホテルのコンシェルジュにワインの配送を頼みたかった。 「ねえ、みんな、ワインをまとめてうちに送るから、何本欲しいか言って」 呼びかけると、 みんな「ええ……」と遠慮しているようだ。 「じゃ、分かった。勝手に決めるよ。 三上家は赤白の組み合わせで6本でいいかな? 佐久間家も6本と、念のための贈答用に6本。 颯太の生家に6本」 「あ、兄さん。俺んちも6本欲しいなあ〜」と淳一。 「先生、俺たちの家にもほしくない?」と颯太。 はは、笑った。 「じゃあ、淳一に6本、立花家に6本。後はどうかな?」 顔を見合わせていたが、それでいいみたいだ。 「じゃあ、まとめて佐久間家に届けるから、届いたらみんな取りに来てね」 「はーい!」 これでワインは終わった。 ついでに大事な相談がある。 またアテンドに聞いてもらった。 「ランチにビステッカ・アッラ・フィオレンティーナを食べたから胃がもたれてる。 なにか軽いものがほしい。ルームサービスでご飯があるかどうか聞いてください」 何やら話していたアテンドが戻ってきた。 「お待たせしました。ルームサービスで、 ご飯、味噌汁、白粥(おかゆ)、蒸し野菜、グリルチキン、 あとはフルーツがあるそうです」 「ええ?すごーい!」思わず俺が叫んだ。 「みんなどうする?」 「ご飯食べた〜い!」と声が揃った。 「兄さん、俺、醤油とお茶漬けと梅干を持って来てるんだよね〜」と淳一。 「え?私もよ」と楓。 「先生、俺、お粥がいい」と颯太。 ここでみんなルームサービスを頼んだ。 おかげで今夜はフリータイムになった。 ああ、落ち着く。 「梅干し分けてやろうか?」と淳一が颯太に声を掛けていた。 「お願いします」と喜んでいた。(笑) おかげで素敵な夜になりそうだ。 部屋に帰ると、ホテルのまわりを散歩することにした。 ルームサービスが来るのは19時半だ。 ちょうどいい。 芸術品でできたようなホテルだ。 あちこちを写真に撮った。 18時半くらいになって部屋に戻った。 まだイタリアは明るい。変な感じだ。 「先生、なんだかちょっと食べられるような気がしてきた」 「ふ〜ん、そうなんだ。でもお粥にしただろう? デザートに何か頼んでもいいよ」 「うん、そうする。食べてから決めるよ」 「はい、そうしてください」 そして19時半ぴったりにルームサービスがやってきた。 ご飯、しかも炊きたて!! 颯太にはお粥。 お味噌汁、蒸し野菜、チキングリル、フルーツ。 塩としょうゆも付いていた。気が利いてるよ。 「颯太、淳一から梅干をもらったんでしょう?」 「えへへへ、うれしい。ほら見て」 密閉ビニールに入った梅干を2個見せた。 「あのさ、1個の半分でいいから、俺にもくれない?」 「う〜ん、どうしようかなあ?」 「あ!」 「ふっふふ、ウソ。あげる」 颯太に遊ばれてしまった。 なんせ俺はサプライズで来たから、 日本食の準備ができてないんだよ。 かわいそうだろう?

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