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第53話 甘い蜜月*
フリータイム宣言をして、颯太と部屋にこもった。
お腹がいっぱいだったし、颯太はもう眠りそうな感じだった。
この状態で風呂に入るのは無理か……と思ったが聞いてみた。
「颯太、一緒に風呂に入るか?」
「うん、入る」
……え? 大丈夫か?
でも、こういう時間は大事だ。
いつものように全身を洗ってやった。
「颯太、無理してない? 眠いの我慢してるでしょう?」
にや〜っと笑っていた。
「だってさ。俺、新婚旅行なのに、ずっと先に寝ちゃったから、
先生に申しわけないなあって思ってたの」
「ふ、いいよ。無理しなくて。寝たい時に寝ればいいよ」
「うん、それが今なの。一緒に寝たいの」
そうか。よしよし、と頭を撫でた。
気を使っているんだな。
なんだか、颯太がかわいくてしょうがない。
こうなったら、今日はずっとベッドの中で過ごすか……。
せっかくイタリアに来ているのに、ずっとベッドの中というのも勿体ないけどね。
皆は今頃どうしているんだろう?
まさか同じだったりしてね。(笑)
颯太の身体をタオルで拭いて、ドライヤーで髪を乾かしてやる。
柔らかい髪だ。
颯太は俺にとって、ちょっと大きくなった子供のような存在だ。
無条件に俺を求め、信じ切って胸に縋りついてくる。
きつく抱きしめると安心して眠る。
おかげで俺はいつも肩が凝ってバキバキだ。
「先生、もういいの?」
あ、髪を乾かしている途中だった......。
「うん、もういいよ。乾いたよ」
「じゃあ、行こう」と颯太から手を引っ張られた。
ちょっとうれしい瞬間で、笑みがこぼれる。
でも部屋が明るすぎるかな。
「颯太、ちょっと待って。カーテンを少し閉めるね」
「あ、忘れてた」
一か所だけ、片側をレースのカーテンにした。
さあ、もういいかな。
大きなベッドだ。
そばに行くと颯太が両手を俺に差し出した。
いつの間にかバスローブを脱いでいた。
俺も脱いでベッドに入って、その手を取り抱きしめる。
颯太は少し頬がふっくらしていて、
目が大きくてかわいい。
それなのに身体きゃしゃで細い。
両手を回しても手が余る。
愛おしくてしょうがないから、撫でまわしてしまう。
「先生、もっとしてえ~」
「ふ、颯太が煽るなあ」
くすっと聞こえた。
そっとキスをすると、ふうと息を吐いた。
更に深く口づけをして舌を入れると応えてくる。
「‥‥‥っ‥‥‥ん」
何回も繰り返すと、喉の奥から少しずつ声が漏れて来る。
「鼻で息して」
「ふぁ‥‥‥っ、ううん......」
いつの間にか颯太が俺の手を自分の中心に運んだ。
颯太のかわいいリクエスト......。
もうはじけそうになっている。
先端を少し刺激するだけで、あえなくイッてしまう。
「イッちゃった......」
「だね、いいよ」
うぷっ......かわいすぎて笑いたいのを堪えるのが辛い。
また、俺が未遂にならないようにって思うんだけど、
なんだか颯太が相手だと本格的に、
セクシーな気分にならない。なんで?
誰ならいいとか、そういうんじゃないんだけど、
いたいけで幼い少年を相手にしているような、そんな罪悪感がちょっとある。
でもなるべく気持ちを集中して喜ばせた。
俺のこういう気持ちって、
いつになったら払拭されるんだろうなあ......。
終わって安らかな颯太の顔を見るのは好き。
胸に顔をぺたーっとくっつけて、眠っている無防備な颯太。
これは俺の宿題なのかな。
俺だって精神科医なのに、なんとかならんのか?
少しだけ、このまま一緒に眠ろうか。
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