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第七章:聖と悪は偽りの狭間
―魔界・ブェルブニ城・上層部
緊張感が高まる空気が辺りに、漂っている。
毎日、顔を見合わせてはいるものの。
やはり、この空気だけは慣れない。
ティーベル兄弟を含め、セラ親子とゼウダーという。本当に珍しくお偉いさん方が集まっているのだ。
付き人達は静かに息を飲む。
「噂に聞きましたが、シイガ様は気に入った者がいるそうですね…」
最初に口を開いたのは、イルアだった。
「…そうだな。気に入ってはいる」
「天使です、か」
直球な質問をするイルア。
彼は、極度な天使嫌い。
眉間に皺を寄せながらシイガの応えを待っている。
「天使?くくくっ、ははははっ!」
「シ、シイガ様?」
「天使、ね。そんな弱々しい者に興味は抱かない。弱者など、ただの性欲発散道具…くくくっ…」
隣に座っていたゼウダーとカミューが頭を押さえた。
忘れていた訳じゃないが、彼はそうだった。性に関しては、道具の一部としか扱わない主義だ。
息子さながら思うが、相変わらずの己の論理を通す。
だが、今は、大事な会議。
頼みますから、父様。
その口から性の話を具体的に出すのは、止して下さい。
切に、願いたいカミューだが、顔を見ると無理だと気付かされる。
隣では、ぜウダーが呆れた表情を浮かべていた。何となくだが、次の予想が出来てしまうのだろう。
絶対に、お気に入りを見つけたとして、それをどうするかは、シイガの手に掛かっている。
-…で、問題は。
気に入った天使です。
イルア様の顔が恐いですよ、父様。
上層部を纏めて上げている男の表情は、明らかに嫌悪している。
天使の匂いが自棄に、鼻に付くらしく、本来だったら、捻り潰したいくらい関わりたくない問題。
けど、そうも言っていられないのだ。
天界での不穏な動きが、耳に入ってきては魔界も動かない訳にもいかない。
尚更、アルザリやアルゼスからしたら、喉から手が出るくらいに、嬉しい出来事かもなんて考えたが、別の件だったりするのだろうか。
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