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第28話 桜エビのかき揚げ

恋人岬で鐘を鳴らした後は、海斗がまたいい所に連れて行ってくれた。 俺って、助手席に座るとなぜか眠くなっちゃうんだよなあ。 海斗に悪いと思いながらも、気が付くと――あ、寝てた!って感じ。 車が停まった気配で目が覚めた。 「ここどこ?」 「ん? とおるが喜びそうなところだよ。先にトイレ行ってくる」 そこは新東名にある「NEOPASA駿河湾沼津」だった。 でかでかと看板が出ている。 めっちゃ人で混んでる。 何だこの人出は? 楽しそうだけど、はぐれそうだ。 海斗とくっついてないと迷子になる。 ささっとお店を見て、海斗おすすめの冷凍の桜エビを2箱買ってきた。 他にもすぐ食べられるスナックが色々売っていたけど、 全然お腹が空かない。もういいや。 朝から食べ過ぎた。 海斗も「俺もまだ入らない」と言っていた。 その後はすぐ出発して、新東名に戻った。 高速はやっぱり怖い。 前のことが色々あるから、寝ちゃった方が楽だな。 ペンダントが光らないから、まあいいか。 そのうちウトウトしていて、気が付いたらマンションに到着していた。 「海斗、ありがとうね。旅行、最高に楽しかったよ」 「うん、いいよ。それなら良かった」 海斗がやさしい。なんでだろう。 着替えたら、軽い疲れもあって、ふたりでベッドに倒れ込んで寝てしまった。 幸せの眠りだ。 目が覚めると、もう夜の7時になっていた。 夕飯どうしようかな。 引き出しを見て、そうめんを茹でることにした。 麺つゆは鰹節をたっぷり使って作ったのがある。 それと今日買ってきた桜エビを、 刺身として生姜とポン酢少し入れた醤油で食べよう。 あとは、かき揚げに挑戦だ。 ネットで調べたら、ブログが出てきた。 なになに……作り方を読む。なるほど。 桜エビに小麦粉を茶こしでパラパラと振りかける。 それを中火の、ひたひたの油で揚げるというか―― バラバラになってもいいから、軽く火を通す。 すぐ揚げすぎになるから注意……難しいぞ。 でも強火はダメって書いてある。 そうなんだ。サクッとなればいいんだね。 案の定バラバラになったけど、お箸でつまんで食べるとうまい! これは塩を振って食べればいいな。 ちょうど出来上がった頃に、海斗が起きてきた。 「おっ、もうできたの?」 「うん。バラバラになっちゃったけど、味は良いよ。食べてみて」 ふたりで冷たいそうめんと、桜エビのかき揚げと刺身を食べた。 「うまいねえ~。香ばしいよ」 海斗が喜んでくれた。 「桜エビって、すごく繊細なんだね。びっくりした」 俺が感想を言うと、 「はあん、小さいからね。でもサクッとしたのがすごくうまいよ~」 えへへへ、海斗が喜んでくれた。 結局、2箱は中が少ししか入っていないから、全部使っちゃった。 桜エビって高いんだなあって思った。

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