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第40話 2学期開始

 ポータルサイトで履修申告を済ませた。 1限から6限まで、びっしりと埋まった。 以前の俺なら、こんなスケジュールにはしなかった。 でも、これくらいしないと海斗を思い出して前に進むことができない。 つらすぎて、なんとか気を紛らわせたかった。 1学期にできなかった分、夏休み中に教科書を俺なりに勉強した。 やがて夏休みは終わり、2学期が始まった。 バイトをしようかと思ったけど、貧乏でもいいから勉強に集中しようと思った。 だから大学には必ずお弁当やコーヒーを持参した。 食堂でお弁当を食べていると、同期生たちが俺を見つけて声を掛けてきた。 「あれ? 葉月じゃねえ? お前、復学したんだ」 こいつは1年の時にたまに話していた吉田だ。 「うん。復学したんだ。よろしくね」 「へえ~そうなんだ。じゃあ、一緒に飯食おうぜ」 「お前元気だったのか? 全然顔を見なかったな。なんで休学してたんだ?」 こいつは樋口だ。 「おっ、珍しい人がいるなあ~。混ぜて」 この子は三澤友子。同じ国文科だ。 俺は何も答えなかった。 「そうだよ、どうしたんだろう?って皆で話してたんだぜ。なんかあったのか?」と樋口。 困った……。 「うちの実家にちょっと呼ばれてたんだよ」 「へえ~そうなんだ」 「もう~二人とも、人のこと根掘り葉掘り聞くのやめなよ。用事があったから休んでたんでしょうよ」 と友子が助けてくれた。 「へいへい、承知いたしました」 あとは静かになった。 俺はただ黙々とお弁当を食べていた。 「ねえ、葉月君、そのお弁当、自分で作ったの?」 「うん、そうだよ」 「へえ~、結構手間のかかったものが入ってるよね? だってそれ、冷凍にないもんね?」 ふふふ、笑った。よく知ってるな。 「あっ、葉月君が笑った」と友子も笑った。 「なんかさ、彩りもきれいだしさ。野菜もいっぱい使ってるしさ。男性でこんなに細かく作る人、少ないんじゃないの?」 俺は首をひねりながら、少しほほ笑んだ。 「いいなあ~。自分で作れる人はさ。俺も誰か作ってくれる人いないかなあ~?」 誰も返事しなかった。 「あ、冷たい!」 みんなでどっと笑った。 それからなんとなく、授業では同じような場所に集まるようになった。 授業中はひたすら集中して勉強した。 海斗の勉強ぶりを見れば、これでも全然足りるはずがない。

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