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第43話 大学3年に進級
俺は二年の二学期と三学期を必死に頑張ったおかげで、なんとか無事にみんなと一緒に三年に進級できた。
おめでとう、オレ。偉いぞ、とおる。
「おーい葉月、無事に進級できたじゃん。良かったな」
声をかけてくれたのは樋口だ。
「そうだねえ。ものすごいスピードで単位回収してたよね。驚いたわ。
ところで一緒にお昼食べようよ。今日のお弁当を見せてもらわないと、今夜のおかずが決まらないのよ」
三澤友子が笑いながら言う。
みんなで学食に向かった。
俺は相変わらず、見切り品で作った弁当を取り出す。
見栄えだけはいい。
弁当屋のバイトで身につけた知識が役に立っている。
この頃になると、弁当を見に来るやつは六人くらいに増えていた。
俺が学食に行くと、みんなが寄ってくる。
なんかちょっと笑える。
そして蓋を開ける。
「うわ~!」
みんなの声が派手なんだよな。
その声につられて、さらに他のやつも見に来る。
ちょっとした今日の笑いだ。
*
海斗と別れて八か月になる。
忘れた日はない。
でも海斗も毎日頑張っている。
それを忘れちゃいけないよね。
ようやく休学した分の単位を猛スピードで回収し終えたから、今度は医療事務の通信教育を受ける。
海斗のお父さんとの約束で、即戦力にならないといけない。
通信教育の期間は三か月だ。
これ正直めちゃめちゃ高かった。
バイト代が2か月分くらい飛んだ。
でもまだ他の通信教育を受けないといけないから、日曜日だけは継続してバイトを入れた。
幸い、学生証で医大の図書館にも入れる。
そこで医療事務関係の本も読める。
それを活かしてしっかり勉強しようと思っている。
夏休みが勝負だな。
俺の計画では、将来のために医療事務を理解したら、次は経営の基礎も勉強したい。
簿記の三級と二級はぜひ取りたい。
三年のうちに取れたらいいけど、正直自信はない。
授業が終わって大学から駅に向かう。
「ちょっと待って~!」
黄色い声が後ろから聞こえた。
ふふ、友子だな。
振り向くと、走って追いかけてきた。
「何急いでるの?」
「えへへ、内緒。葉月君はどこ行くの?」
「今日はね、医大の図書館に行こうと思ってるんだ」
「ふ~ん。何か資料でも探してるの?」
「うん。医療事務の資料があるかどうか調べたいんだよね」
「へえ~そうなんだ。ね、私も一緒に行っていい?」
「うん、別にいいよ。学生なら自由に入れるから」
「ありがと。じゃあ一緒に行こう」
大学の最寄り駅から電車で少し行くと、医大だけのキャンパスと附属病院がある。
海斗がいるところだ。考えただけでドキドキする。
あそこの図書館はすごいんだって。
医学関係ならなんでも揃っているらしい。
できれば本だけじゃなくて、動画の資料もあると助かるんだけど……どうなんだろう。
今日はそれを探しておきたい。
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