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第63話 海斗の妹

 それから、資料がいっぱいいるから、 今までの通信の教科書を全部持って来て秘書室の本棚に入れた。 あとはパソコンの情報の整理だよね。 日別に出すか、科目別に出すか。 ただのメモでも抽出できるように、エクセルがベストだな。 これからエクセルと仲良くなろう。 それにしても、よく毎日二百枚来るよね。 これって決まったパターンってあるのかな。 まあ、いいや。メモしていくうちにきっと分かるかもだ。 そこへ部長が入って来た。 「どうですか? なんか問題はありますか?」 問題だらけに決まってんじゃん。 なんとも言えない微笑みで返すしかなかった。 まだそこまで調べられないんだから。 そうだ、簡単に調べる方法ってないかな。 「あのう、もっと簡単に医学情報って調べられないんでしょうか?」 「ああ、それはねえ、医師専用のサイトがあるんですけど、一般の人は見られないんですよ」 「そうなんですねえ。はい、分かりました。そしたら院長先生に伺いますね」 「あ、あ、あ~……」 え? ダメ? 気まずいのかなあ。 「う~ん、ではちょっと院長に相談してきますよ。待っててください」 そう言って隣の院長室に行ってしまった。 五分もしないうちに戻って来た。 「では特別に、内緒ということで、院長の医師登録ナンバーを教わって来たので、これで調べてもらえますか?」 「はい、分かりました。ありがとうございました」 これで結構、調べごとがはかどるな。 * さて、夕方近くになった。 今日は初日から頭を使い過ぎて、早く風呂に入りたくなった。 そこへノックされた。 「どうぞ」 顔を出したのは、かわいい高校生くらいの女の子だった。 「こんにちは」 「はい、こんにちは。どうぞお入りください」 おずおずと入って来た。なんだろう? 「どなたですか?」 「海斗の妹の友梨奈です。よろしく!」 「え? 海斗に妹がいたの? 初めまして、葉月とおるです。よろしくお願いします」 そばに行って握手を求めた。 はにかみながら、そっと手を差し出して握手をしてくれた。 「高校生なの?」 うん、と頷く。 「高校二年。お兄さんは海斗のお嫁さんになるの?」 「え? えーーーっと、どうかな。まだはっきりは決まってないよ。どうして?」 「顔を見に来たの。どんな人かなあ? と思ってさ」 少し笑った。正直じゃん。 「良いよ。良~く見ていってね」 「友梨奈ちゃんはどこに住んでるの?」 「病院の裏だよ」 「え? そうなんだ。気が付かなかった」 それから少し学校のことを話した。 「友梨奈ちゃん、好きなおやつってあるの?」 「私、プリンが好き」 「あ、そうなんだ。じゃ、いつか作ってあげようか?」 「うん、食べたい!」 ふふふ、ラインの交換をした。

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