68 / 81

第68話 甘い新居

「こっちが台所だよ。全部新品に変えてくれてるよ」 「ええ? どうしよう……」 あまりにきれいすぎて、なんと言っていいか分からなかった。 触りまくって感動した。 だって、どこもかしこもぴかぴかなんだもん。 「ほら、食洗機とIHコンロだね。 引き出しを開けて、ガンッて閉めても、最後はそっと締まるんだよ。やってみて」 「うん」 引き出しを引っ張って、サッと閉めてみた。 でも最後はふわっと静かに締まった。 「海斗、この引き出し……魔法だね?」 ふふふ、と海斗が笑った。 「あとディスポーザーもついてるよ」 「それなあに?」 海斗が使い方を教えてくれた。 また魔法が増えた。 「ねえ海斗、これって贅沢すぎない?」 「ついてるんだからいいんだよ。慣れて」 えー……もう海斗は慣れてるのかな? なんか……ちょっと悔しい気がする。 「今は広く見えるけど、俺の荷物を持ってくれば結構埋まるよ。 ただ、ダイニングテーブルは買った方がいいかもな。 大きいのを買おうよ」 また贅沢を言ってる。 あのタワマンのテーブルだって結構大きかったのに……。 「それはいいけどさ、俺、お金がないよ」 「もう~お金の心配は一切禁止。いい? 全部俺が出すから、もう言わないの」 「はい、分かりました!」 えへへへと笑ってしまった。 やったー! そして部屋が四部屋もあった。 一つは六畳の和室。 リビングの横にあって、戸を開けっ放しにするとリビングが広くなる。 和室は俺の部屋にしていいんだって。 両親が来たら、そこに泊まってもらえばいいよと言ってくれた。 めちゃめちゃうれしかった。 あとは全部洋室のフローリング。 ちょっと四畳半くらいの小さめの部屋は、海斗の書斎になるらしい。 一つは子供部屋。 最後はメインの寝室。 ここは専用のトイレとバスルームが付いていた。 ウソ……って思った。 だって贅沢すぎる。 「一番大きな部屋を俺たちの寝室にしよう。 父さんが結婚祝いにベッドを買ってくれたよ」 「ええ、そうなの? うれしいね!」 「ねえ、ベッドメイクするからさ、一緒にやらない?」 「うん、いいよ」 二人でベッドパッドとシーツを敷いた。 それから枕を出してカバーをかけ、掛け布団もカバーの中に入れた。 そして海斗はおもむろに、 「ねえ、一緒に寝ようよ」 「は? このままで?」 だって俺はスーツを着ていた。 海斗はラフな格好だったけど……。 「そんなの脱げばいいでしょう?」 また海斗が強引に言った。 こういう時は、もう決めちゃってるんだ。 「もう~、急にそんなこと言っちゃって……」 俺が躊躇していると、 「あっ……」 海斗がじれて、どんどん俺を脱がせ始めた。 洋服はポイポイ放り投げる。 誰も見てないからって……恥ずかしすぎる。 だって三年ぶりなんだもん。 そして海斗も脱ぎ始めた。 もう~恥ずかしいよ……。 そしてベッドの中に引っ張られた。 二人で抱き合った。 結局、全部脱いじゃったじゃん……。 もう知らないよ。

ともだちにシェアしよう!