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第81話 最終回・天界の使者
3月31日火曜日
結婚休暇もとうとう今日で終わりだ。
「海斗は明日から初期研修生なんだね」
「うん、そうだよ。これから宿直もあるし、不規則になると思う。とおるは大丈夫?」
「多分ね。俺は時間通りで帰るもん。会えない時はお昼休みにでも秘書室に来てくれる?」
「うん、そうしようか?なんか食べるものあるかな?」
「わかった。電子レンジで温めて食べるようなものを置いとくね」
「うん、奥様、愛してるよ」
天使「ほい、来たー」
「ええ?」
いきなりおばさんが現れた。
「おばさん、やっと来たの?なんでずっと来なかったの?何回も呼んだのにさ」
「とおる!俺今おばさんの声が聞こえた!」
「ええ?海斗もおばさんの声が聞こえるようになったの?」
「うん、なんかそうみたい。不思議だな」
天使「ほらね。海斗ちゃんは本来は聞こえるはずなのよ。あのお父さんの子なんだから」
「って、どういう意味ですか?父と関係あるんですか?」と海斗。
天使「う~んとねえ、それがねえ、ちょいと言いにくい。私、ご褒美をもらって長期休暇で遊んでたんだよ」
「はあ?誰が休暇をくれたの?」と俺。
天使「だからさ、先生なんだけどね」
「おばさん、先生って誰?」と海斗。
天使「ほら、海斗ちゃんのお父さんよ」
「どういうこと?お父さんが何の関係があるの?」
天使「だってさ、ほら、お父さんは天界の使者なのよ、お偉いさん」
「は?じゃあ、なんで俺達は入れ替わったの?」と海斗
天使「だから巻き込まれたんだよ。ライバルがお父さんを蹴落とそうとして息子を狙ったんだよ、でも、つかまって重罪になったでしょう?」
「待って、じゃあ、俺は関係ないじゃん」俺は納得が行かない。
天使「だからさ、敵さんがそこを間違えちゃったのよ。これも重罪なんだけどね」
「ああ~もう、頭が痛い。どうなってるの?」俺は頭を抱えた。
天使「あのね。人は皆使命があるの。お父さんは天界の使者で人を助けるためにいるの。息子の海斗ちゃんもよ、そしてとおるちゃんも、天の声を伝えるためにいるんだよ。わかった?」
「ふ~ん、そうなんだ」
「海斗分かった?」
海斗はしばらく考え込んでいた。
「父さんってお偉いさんなんだね?」ってそこかい。
「海斗、お父さんはカッコ良いねえ~、お偉いさんは頼りになるよね?」
「とおるは俺だけを頼りにしてればいいの」
アハハハ!とおばさんが大笑いした。
「あ、おばさん失礼」海斗が憤慨していた。
天使「だってねえ、お父さんて凄くカッコいいでしょう?天界でも大人気なんだよ。だから嫉妬よ、嫉妬」
「ねえ、海斗ってさ、間違いなくその血を引いてるじゃん」
もう笑った。良いねえ。モテる人は。
天使「じゃ、また来るわ。まだ休暇があるんだけどね。ちょっと覗きに来たのよ。じゃね、バイバイ」
しゅわっとまた消えた。
「海斗、おばさんの姿は見えたの?」
「それは見えないけど、声は完全に聞こえるようになってるなあ」
「ふ~ん、それはまあよかったわ。やっぱり持って生まれた能力があるんじゃないの?」
「そうか、また能力が増えたんだあ~つらいなあ」
ふっ、笑ってやった。
つらいのはこれからだぜ(内緒)
でも、手を伸ばせば海斗がいる。
それだけで、どんな未来も怖くない。
ー完結ー
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