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第4話 ヤンデレ属性の僕

 おかしい。サンテラスの中には沢山の植物が置いてある。ここでこっそり秘め事をしてる使用人達もいる。 「ロドリゲス…ていうのか。今は」  と美少年な元ヤン御影くんがようやく解放されたように足を広げて睨みつけながら言う。 「君は?なんて言う名前になったの?」  と聞くとベッと唾を吐いた。美少年だがやはり中身ヤンキーだった。  でも何故か唾さえキラキラして見える。 「俺は…ジュリアス・ディー・スプリンフィールド侯爵家三男だよ!畜生が!!」  と悪態をつく。 「可愛い名前だね」  と言うと嫌な顔された。 「てめえ…ふざけんなよ!?俺が今までどんな目に遭ってきたと思ってやがる!?  こんな見た目で生まれ変わったせいで両親から気持ち悪いくらい溺愛され、兄貴二人も俺を可愛がり、使用人も俺をいやらしい目つきで見てくる!成長するにつれて周りのガキ共も俺が病弱なのをいい事に花やらプレゼントやら贈ってきて明らかにボーっとして帰って何通も何通もラブレターが届きやがる!!  気持ち悪くて血を吐きそうになる!!あのクソ金髪オネェのせいだ!!」  と嘆いていた。いやモテモテでいい人生。 「流石総受けだね」  と笑うと 「てめええええ!!よくもそんな事を言えたな!!」  とぶん殴られそうになり慌てて細い手首を掴んで止めた。 「だめだよ!御影くん!護衛達が見てる中僕に手を出したら!一応僕は王子だよ!?」 「うっせーよ!関係ねえ!憎ったらしいな!殴らせろよ!こっちは殴る相手が見つかんなくてたまってんだ!王子なら金出せコラァ!」  とヤンキー口調で脅されるが急に青ざめてくたりとゼェゼェ言い出した。 「うう……」 「ど、どうしたの!?大丈夫?御影くん!」  と背中をさすると彼は 「……畜生…誰かを殴ろうとしたらいつもこうなる。心臓の病気持ちで痛み出す。俺はいつか死ぬ…」 「ええ?確かに神様が病弱設定したけど死なないはずだよ!?」  と言うと 「うっせえなぁ!それだってお前…お前と…くっ!気持ち悪いこと言わせんな!!…俺は思い出しても身の毛がよだつぜ!あの金髪クソ神が言ってた事!」 「そう言えば、僕が執着ヤンデレ属性で君と添い遂げないと君の病気治らないらしいね」  と言うと御影くんはギロッと睨んだ。ああ、なんかそれにゾクゾクしちゃう!?何これ? 「サラッと気持ち悪い事言いやがって!誰が添い遂げるかクソが!てめえ前世で俺に虐められてたからって仕返しする気か!あの神の思い通りに動く気なのかよ!!?」  と言う御影くん。確かに僕だって中身がこんなヤンキーな人は嫌だ。  虐められていた時も何で僕がこんな目にと何度も思ったけど弟達もいたし頑張って耐えた。この人は…御影くんはそんな気持ちになった事ないんだろうな。  なんかちょっと意地悪したい気もする。僕の気持ちを少しでもわかって弱い者の気持ちをわかってほしい気もする。 「別に僕はあの神様嫌いじゃないしね。趣味が同じで同志って感じしたし…。でも御影くんをどうこうしようとは思ってなかった。  でも君は反省してないんだね。生まれ変わって家族に愛されてるのにそんなに中身捻くれたままで!  君は僕と婚約しないと…結婚しないと総受け確定だよ?どうするの?別に僕はしなくてもいいんだ。王子だからね。婚約者なんて他にたくさん候補がいる」 「は!お前俺だってこの容姿で寄ってくる男なんか山ほどいるわ!お前なんかと婚約するくらいなら他のやつにするぜ!」 「でもそうしたら君は総受け確定だけどいいの?」  と言うと 「くっ!俺の選ぶ婚約者が守ってくれるかもしれねーだろ!?」  と言う。僕はうーんと考えて 「うん、ならそうして?その婚約者が君をちゃんと守ってくれればいいね。僕は応援するよ。頑張ってね。話は終わりだよ?」  と僕は冷たく突き放す。内心はちょっと傷ついた。こんな美少年を他人に取られるとか。取られるとか?  んん?  うわ、僕の中にヤンデレ属性生まれてきちゃってる!危ない!!  僕は傍観者希望なんだから温かく美少年の御影くん…もとい、ジュリアスくんが総受けで狙われるの見守ろう!  と決めた。  しかしジュリアスくんは震え 「なんか…急に寒いっ!なんなんだ!?」  と言い出した。?今日はポカポカとこんなに日が差しているのに? 「まさかあの神の力かなんかが働いてんじゃねぇよな!?」 「それはわからない。苦しいの?」 「見りゃわかんだろ!医者を呼べ!」  と言うジュリアスくん。 「……あのさ?人に物を頼む時に命令ってなんなの?僕は今王子だよ?前世の佐々木千隼は死んだんだ。前の名前で呼ぶのやめてくれない?」 「は!?お前!何言ってんだよ!?」  と青ざめながら驚くジュリアスくん。 「…あのさ…もうこの世界に転生して9年だよ?なんで9年も経って順応してないの?僕は王子としてこの国をいずれ統治する存在になるために厳しい王子教育を毎日毎日受けている。前の僕とは違う人生を生き、使命感もある。前世の家族を忘れたことはないけど…もう前世の佐々木千隼としての生は終わったんだ…。  ジュリアスくん。僕は第一王子ロドリゲス・フォン・アークスカイだ」  と胸を張る。 「くっ!!」  と悔しそうにするジュリアスくん。しゃがみ込み耳の傍で小声で 「ジュリアスくん…僕を頼りたくなったら言ってね?僕は君を脅したりしないけど…前世のよしみで助けてはあげられるだろう。まぁ…要らないなら知らない」  と冷たく突き放した。それから医者を呼びジュリアスくんは真っ青な顔で帰っていった。  ちょっとだけ胸がスッとした。相手の優位に立つとはこんなに気持ちがいいことなのかと僕は感じた。  でも困ったジュリアスくんの美しい顔は素敵だった。  あっ!ヤバイ!ヤンデレが覚醒しそう!ダメダメ。僕は傍観者だしなぁ…。うーんでも、あのひねくれ者は素直に助けを求めないかもしれないし動向が気になるので僕はメイベルにこっそりと 「ねぇ、メイベル…ジュリアスくんが心配だからしばらく影に見張らせて報告して欲しいんだけど…ダメ?」  と言うとメイベルは驚き納得した顔をした! 「流石ロドリゲス王子!!スプリンフィールド侯爵家のあの病弱な美少年に目をつけるとは!!陛下に報告しますか?婚約者候補にと!」  と言ってくるが 「…そうだね。一応の申し込みは伝えてほしい。でもねジュリアスくんの意思なくそんなことできない。ジュリアスくんからお願いしない限りは僕は彼を……待つことにするよ。  もちろん断られたって僕は構わないよ。相手側には王家だからと無理に決めつけるような真似はしなくていい、本人の気持ち次第だと伝えて。そうだ期限を決めておこう。それなら負担にならないだろう?」  と僕は嬉しそうに言う。僕ってこんな性格だっけ? あれ、やっぱりヤンデレ化してきてる?

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