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第6話 俺の敗北か(ジュリアス視点)②

 王宮に行ってから数日したら俺の今の親父、  ーージェームス・ディー・スプリンフィールド侯爵に呼ばれる。 「おや……ゴホッ……お父様……ジュリアスです」  と親父と呼ぼうとして咳が出る。畜生が!  扉を開けると執務室の傍には俺の母親、男だが母親もいた。レムリオ・セル・スプリンフィールド侯爵夫人。 「お母様もいたのですか」 「うん!いたよ!可愛い可愛い愛し子!ジュリアスちゃん!!」  と頬にすりすりしてくる。やめろ。 「ジュリアスよ……お前に沢山の婚約者候補の申し出が来ているよ。選り取り見取りだ。まだ早いとは思うけどな。一応この前行った王家のロドリゲス王子様からも婚約の申し入れがあったんだが……王子は本人の意思がなければ断ってくれていいと申しておる」 「えっ……」  あいつめ!本当に俺が他の男共にかわるがわる犯されるのを楽しむ気か!これだからオタク変態は嫌なんだ! 「嫌なら断っていいからな!ジュリアスはまだ婚約者なんて必要ないよなぁ!」  という親父。そこへ兄二人が入ってきた! 「父様!!俺の可愛いジュリアスが王子に取られるって聞いて!!」  長男のウリック・ディー・スプリンフィールド14歳。 「そんなのやだよ!ジュリアスはまだ9歳なんだよ!?」  次男のハリソン・ディー・スプリンフィールド12歳。  二人のぎらついた目で俺を見られてゾッとする。しかも俺の股間とかを凝視してくる!気持ち悪い!こっち見んな! 「父様母様!俺達兄弟で話し合ってきます!ジュリアス行こう!」  と連れ出される。怖い!  長男の部屋に入れられ鍵をかけられた。  俺は青ざめる。貞操の危機!?  いやそんなまだ俺のは発展途上だ!!でも!!怪しい目つきをされる。 「ジュリアスー?王子と婚約なんてしないよな?あんな権力に屈してはいけない!」 「そうだ!断るんだジュリアス!ジュリアスにはお兄様達がいる!お兄様達が選んだ相手じゃないとね!」  と言う。 「お、俺は……」  とそこで長男に引っ張られベッドに押し倒される!!ひいー! 「な、なにすんだよ!?」 「ジュリアスは病弱だから兄様達が添い寝してあげるだけさ!」 「そうそう!ジュリアス、ほら上着苦しいだろ?脱ごうね!」  と怪しい手つきで上着を脱がせようとしてくる!!ズボンの上から俺のを手でどさくさに紛れ撫でて長男が恍惚な顔をしてやがる!! 「や、やめて……」  とお願いすると次男がキュンとして 「も、もうダメ可愛い!はぁはぁジュリアス!お兄様達といいことしようか!」 「そ、そうだね!知らない男より身内の方が先だよね!!」  と言い俺の貞操が本当にヤバイ!! 「嫌だって言ってんだろ!この……ゴホッ!」 「ほらほら大人しく大人しくね?声を出さない様にね!」  と服の上から撫でてくる兄達に俺は身の毛がよだち助けてと小さく口を動かした瞬間だった。  いきなり扉の鍵がぶっ壊されて……そこにニコッとした佐々木……  ーーロドリゲス王子が立っていた。  剣を肩に担ぎ、後ろには魔道士みたいな奴等もいた。おかっぱ頭の執事もいた。  なんだこれ!?  兄貴達は青ざめていた。 「やあ……ご機嫌様」 「ひっ!お、王子がどうしてうちに!?」 「ん?何か助けてほしそうな空気を感じてさ?君たち兄弟で何してるの?いけない事?じゃあ僕監視させてもらおうかな?」  傍の椅子に座る王子!  あ、あんのやろー!この状況楽しんでやがる! 「何してんの?ほら続けなよ?どうしたの?」 「い、いや、その……俺たちはジュリアスを寝かしつけようと……」 「それにしてはジュリアスくん青ざめて震えて泣いているけど?……あと服もはだけている……」  と指摘し青い目を細めた。兄貴達は真っ青になった。おかっぱ執事は最低だとでも言う様に冷めた目つきで兄貴達を睨んだ。 「ただの寝かしつけじゃないんでしょ?いけない事しようとしてたの??僕なんか空気だと思って続けてよほら?」  とニコニコとするロドリゲス王子の顔を見て兄貴たちが頭を床につけ 「もももももも申し訳ありませんでしたあああー!」  と謝った。そして二人は部屋から飛び出して行く。ロドリゲス王子はこちらに寄りニヤニヤして俺の涙を指で掬った。 「惜しかったね!影の者たちから君がお兄さんに捕まったと聞いて僕は魔道士に転送してもらって居ても立ってもいられなくなっちゃった!!」  と言い耳元でまたひっそりと 『だって……いい場面が観られると思ってさ!!』  と笑った。この変態が!俺を助けに来たんじゃなくて俺の痴態を観に来たのか!なんて奴だ!!こんな奴王子じゃねぇ! 『ふふふ、君も前世仲間と僕のこと裸にして写真撮ってネットにあげたよね??』  と言われひえっとした。確かに俺はしたかも!こいつは泣いて許してくれやめてくれと言っていたのに!仲間とゲラゲラ笑いバカにした。  冷めた目をしたロドリゲスに 「つまんないから帰ろうか?ああ、あのさ僕からの婚約の断りは明後日ぐらいで締め切るよ」  と言う。ま、待て!今こいつの後ろ盾がないと俺は間違いなく兄達に犯される!!  それだけは!! 「待って!!お願いだゴホッ……です!  どうか俺と婚約していただけると嬉しいです!!でで……殿下!!」  と頭を下げるとニヤリと笑いロドリゲスは 「そう……そんなに僕と婚約したい?」 「しつけーん……ゴホッゴホッ……は、はいしたいです!!」  と俺は頭を下げて婚約をお願いしたのだった。

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