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第8話 保護という名の監禁②
ジュリアスくんは総受けを嘗めすぎだろう。
人は障害があるほど突破しようともがくものである。この部屋に監視魔法が働いているのは当然だ。何かあれば直ぐに僕にわかる様になっている。
それにこうやって囲い込むと、いつでもどこでも僕は君を眺めていられる。今のジュリアスくんを観察しながら僕は夜な夜な腐男子隠し部屋にて薄い本制作に励める!前世で漫画部に入ってて良かったー!
こっそりそっち系の貴族達に売れているんだよね!
ーーそう……僕王子にして裏の世界では有名な薔薇本と呼ばれる薄い本の作者だから。この世界の薄い本は分厚い挿絵付きの本だけどさ。僕はその挿絵に全画力を注ぎ君をモデルに淫らな絵を描きまくっている。
これまで病弱で社交界に出てこなかった君は実は本のモデルじゃないかと噂され大変な有名人なんだよ?
と言ったら怒るから黙っておこう。
ーー
何はともあれ王妃教育が始まったジュリアスくんは毎日朝食夕食お茶の時に僕と顔を合わせる度にゲッソリしていた。
「聞いてないこんな……厳しいとは……。
うっかり俺の手を触りそうになった使用人が毎日数人ビリビリになり倒れていくしよ!」
と言う。もはやビリビリ来ても触りたい領域なんだろうね。恐るべし総受け。
「ご苦労様です。ともかく栄養をつけることだね。ただでさえ病弱なんだからね」
と言うと
「新しい主治医の男もやっぱりなんか俺の事をエロい目で見てきやがる。ちっ!」
と言うと急にジュリアスくんは僕の手を見た。
「お前手が血で滲んでるぞ!?」
と言う。
そういえば今日の剣の鍛錬の時、師匠に「甘い!」とか言われて剣が飛んだから剣と手を紐で縛り付けて練習してた時に紐の摩擦で手が切れたんだよね。まぁ気にせずやってたから結局包帯を巻く事になったけど、こんなのいつもの事だから気にしてなかった。
「ああ、剣の鍛錬の時にちょっとやったくらい。いつものことで慣れてる」
と言うと
「……いつものこと……剣……。俺……病弱で剣すら持たせて貰えなかった……」
とジュリアスくんはしゅんとした。元ヤンの彼からしたら武器が無く大変だったろう。
「代わりにペーパーナイフは持ち歩いてたけどよ!」
と言う。
手紙を開けるときのあれか。武器と言うには心許ないだろうけど。
「……剣を持ってみる?もちろん僕と二人の時だけね?持てる力があるかわかんないけど」
と提案すると嬉しそうな顔をして、僕は不覚にもふおおお!天使が笑顔になった!と嬉しくなった。
「本当か!?やった!本当は釘バットとメリケンサックが欲しいけどよ!!」
と言う。前世でメリケンサックでボコられ、顔が腫れ、口を切られた僕はゾッとした。あの時はもう痛みで何も考えられなかった。
「……」
急に黙り込んだ僕を察したジュリアスくんはーー。
「う……前世では悪かったって!」
と言う。
「そうだね……。前世のことをたまに思い出して僕も辛いけど忘れないとね!……まぁここからは君はもう逃げられないし頑張ってね!」
と僕は立ち上がり嫌な笑いを残して去った。数日間監視魔法球の映像を見て僕は王妃教育などで苦しんでいるジュリアスくんの顔を見てから眠ることにしていた。
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