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第17話 どっちが酷い奴?②
「とにかくさ、神様から僕と君が結ばれないと君のその心臓の病気は治らないし体も弱いまま、総受け体質で狙われる身なんだよ君は。あんな……さ、キスしてキレて全力で僕にビンタして気絶するくらい君は身体が弱ってるんだよ?
僕は今まで傍観者としてこの世界にいた気がする。本来の僕はそうなんだ。でも君を見ていると実はイライラするしムラムラするし嫌な一面もヤンデレ化のせいで出てきている」
「は!確かに佐々木の時はお前……なんかいい奴ぶってて気に食わなかったもんな!!」
「別にぶってない。佐々木千隼だった僕は誠実に生きてたし貧乏な両親に迷惑かけたくなかった。弟達もいたしどんなに虐められたって耐えた。怖かったけど耐えた。
ロドリゲスに生まれ変わってからは皆にちやほやされて気分良くなってしまった。正直無敵になったとさえ思った。だって前みたいに弱くない。僕は時々酷い奴になってしまった様な感覚を覚える」
「お前だってまだ前世に囚われてるじゃねぇか!そんな簡単に人が変われるわけねえんだ!!」
とジュリアスくんは言う。確かにその通りだ。
「僕は……君を保護している気でいる。君に他の好きな人が出来たら応援してあげたいって思っている。君が総受けの運命から逃れられないなら僕は君の好きな人を全力で応援して邪魔な奴らを排除する気でいた。
この世界にはどうしたって男しかいないんだから君は男を好きになるしかない」
「あのよぉ、一生一人で生きるって言う選択肢はねぇの!?」
と言うから僕は信じられないと声を震わせた!!
「ええ!?ジュリアスくん?本気でそんな事を考えていたの!?ききき……君は鏡を見たことがあるのか?その姿で一生一人で……寂しい生活を!!?君みたいなひ弱で貧弱で今にも死にそうな可憐な男子がひひ……一人で暮らせるわけあるか!!?」
「てめえ!最大級にバカにしてくれたな!!マジで性格悪くなってきてんぞ!?」
「え?じゃあ出来るの?やったら?今すぐに」
「えっ!!?」
そう言うと流石に青ざめるジュリアスくん。当たり前だ。王宮から出てフラフラと重い荷物を抱えて歩いているだけで死にそうだし、盗賊やら悪い男が通りかかったらもうそれはいろんな奴らに朝から晩までずっと食われ続けるだろう。
「出来ないくせに言うんじゃないよ。君は誰かに保護してもらわないと生きられないよ?僕みたいにお金持ってて優しい王子とかね?」
と僕はまたヤンデレ化が進んだ。
別にこんな困らせるようなことを言うつもりはなかったのに勝手に口から嫌味みたいなものが出てしまう。
するとボロボロと悔しそうに涙が出てゴシゴシ服で拭うジュリアスくん!
「畜生!いいよ!お前みたいな酷い奴俺は嫌いだ!こんな所出てってやるさ!!お前は他の男とやってろよ!!俺はもっと楽な奴と暮らすんだ!!」
と起き上がり鞄を探そうとしたので僕は言い過ぎたと反省した。
ジュリアスくんの涙を見た瞬間、胸の奥がざわついた。
それが怒りなのか、恐怖なのか、僕には分からなかった。
「ごめん、言い過ぎたよ。行かないで?」
と言うと
「なんだよ!?お前が出ていけって言ったんだろーが!俺だって保護されるのなんかごめんだ!バカやろ!もう開き直って高級娼館でもどこでも行ってやりゃいいんだろ!?」
とやけになっているジュリアスくん。そこでガバッと抱きしめて止めた。
「ぎゃー!離せよ!ど変態野郎ー!」
と暴れるが全く痛くない。強靭に育って良かった。
「行かないなら離すよ。外は危険だよ?大丈夫僕が守ってあげるよ。考えてみれば僕が不能と言われようともうどうでもいいことだよ。僕は傍観者で大作家なんだ!
別に君と恋愛しなくても王妃にしてあげられるし、子供……も何処かから養子を取れば問題ない。君は僕と関係を持たなくてもこの王宮でなるべく自由に過ごせるようにしよう。何処かへ旅行に行きたいなら叶えよう」
と言うとピタリとジュリアスくんは腕の中で大人しくなった。
「本当だろうな?でもそれ結局はずっと監視されてんだろ俺?あと病気治んねえ。お前とじゃないと治んねえんだよ……酷え奴だよお前も………俺もだけどよ…」
と言う。
「そうだねぇ。どっちが酷いんだろうねぇ……僕はもうわからないや」
君を自由にさせたいのにさせたくないと言っている様なものだ。これが執着というものか。
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