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第19話 なんか距離置かれる(ジュリアス視点)②

 何日か暇してたらセバスの奴がやってきた!どうやらロドリゲスの奴が平民のセバスを信頼の置ける友達だから訪ねてきたらいつでも入れる様にと許可を取っていたらしい。 「やあ!元気かい!?ジュリアスくん!」 「お前元気だな」 「はい!元気ですよ!?ダーリンとラブラブですんで!!ロドリゲス先生視察行ってて暇でしょ!?ちょっと先生の作品でも読んで暇つぶししてみたらどうですか?」  と言う。 「お前……正気か!?この腐った本は俺を主人公にして書いてる気持ち悪い本なんだろ!?頭おかしいぞ!?読むか!気持ち悪い!お前ら腐ったオタクと一緒にすんな!!」  と言うとセバスは怒った。 「もう!確かにモデルはあなたかもしれませんが!読んでもないのに先生の作品をバカにして!こんな素晴らしいもの書いてるのに!挿絵も秀逸!先生の作品大人気!!手に入らないことも多いのに!!」  とぷんぷんしてセバスは全巻!?置いて帰ってしまった。マジかよ。  綺麗に装丁されわざわざ作られたBL本をしかも俺モデルのを俺が読むとかないだろ!!?どんなホラーだよ!  でも置いてあるとちょっとだけ気になった!!あいつの書く本とかそんなにウケんの!?この世界にヤンキー漫画がねぇし娯楽とかほぼねぇもんな!チェスとか難しくて俺にはやってらんねーし。  ビクビクしながら俺は……とうとう本を手に取ることにした。  ー主人公であるジュリエットはロミオの事が好きだが二人は中々結ばれないー 「って!ロミジュリじゃねぇか!!何だこれ!?」  思わず本を投げて無駄な体力使ったがとりあえず拾ってまた読んだ。  ージュリエットもロミオもお互いに顔を合わすと喧嘩ばかりでジュリエットはとうとう複数の男と関係を持つことに決めたのだ!ー 「決めたのだ!じゃねぇぞ!決めんなよ!ふざけんな!!」  と突っ込む。  ージュリエットが夜な夜な毎回違う男とベッドにいるのを寂しく扉の隙間から覗き見て泣くロミオ……ー 「いや、怖い怖い!何こいつ!人の情事覗いて泣くってなんだよ!?泣くならジュリエット引き止めとけよ!!」  ーしかしロミオは毎晩違う顔で鳴くジュリエットに興奮してしまう。覗きがやめられなくなったー 「もうロミオただの変態じゃねぇか!!」  そこからはいろんな男を相手に毎回違う相手として乱れるジュリエットの様子が事細かに書かれており気持ち悪かった!!時には貴族の男複数一遍にだ!  挿絵もあった!めちゃくちゃ画力たっけー!そりゃ好きな奴には人気出る画力じゃねぇか!!俺に似てるのが腹立つけどな!!俺モデルだから仕方ねぇけど!!  *  そんな感じで暇だったから突っ込みながらどんどん読んで行く。たまにロミオが出てくるのもちょっと面白いなと思い始めた。ロミオは覗き魔の癖にそれなりにジュリエットのことを気にしているらしかった。でもこのロミジュリは絶対に身体の関係にはなっていなかった。なんでだよ!?お互い実は好きなくせに!?  なんかロミオも時々羨ましそうに見てるだけだしよ!お前男なら勇気出して押し倒せ!とか思っちまったわ!  はっ!ヤベェ久々の娯楽にのめり込んで!俺はまともだからな!!?  とうとう今出てるヤツの最後まで読み尽くし次巻にて続く!と書かれていて作者の後書きが最後にあった!!  ーいつもロミジュリを応援してくれてる皆様ジュリエットと他の男達を応援してくれる皆様もありがとうございます!いつも皆様からの勇気づけられるお手紙を拝見させて貰ってます!  僕の本を読んで夜の方がうまく行ってない奥様達にも読んでもらえて嬉しい限りです!  ロミジュリはとても幸せだと思いますし僕の作品を手に取って喜んでくれている皆さんには感謝しかありません!  本当にありがとうございます!僕は好きなものを書けて幸せです。  最後にジュリエットのモデルはいますがこの本とは全く違います。創作の中のジュリエットを応援してあげてください。  作者 チハーヤ・ササキーノ  と締めくくられていた。 「ササキーノって!!ぶはっ!こいつまじか!」  と久しぶりに俺は笑った。  そんでちょっとだけ尊敬した。こいつ……この世界でちゃんと好きなことやれてんだな……。俺は……前世から夢も何もねぇ、ただ喧嘩と暴力の死んだみてぇな世界で彷徨ってた。今も何もねぇや、やりたい事……。  こんな世界でやりたい事とか考えたこと無かった。 「なんだよ。ずりいな、あいつばっかり!……いや、セバスもか。あいつら好きな事いっぱいしやがって!俺なんかなんもできねぇや!身体弱くてよ!」  何も夢見た事ねぇし……。やりたい事……俺にも見つかんのかな!?  と俺は悩みつつもなんとか眠りについた。  *  朝になり悲鳴がして俺は起きた!!  俺の部屋に数週間姿見せなかったロドリゲスが荷物を床に落として自分が書いた本を俺が抱きしめて眠ってたのを見て悲鳴をあげたみたいだ! 「ななな!何でその本をジュリアスくんがーーーーーーー!!!わあああああああああああああ!!」  とこんなに取り乱したロドリゲスを俺は初めて見た!

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