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第20話 僕のファンに?

「うるせーな!朝から!お前いつ戻ったんだよ!!」  と寝巻き姿のフリフリした可愛いジュリアスくんが寝ぼけ声で言う。 「さっきだよ……お土産を持ってきたけど、部屋に入ったら僕の本があるから驚いて悲鳴をあげてしまった!」  と言うとジュリアスくんは 「……これセバスの野郎が置いていったんだよ!暇だから全部読んだ」  と言った!!まさかの全読破!!僕は顔が火照り恥ずかしさでもはや死にたくなった!人には死ぬなとほざいておきながら!!  いや、だってこれ本人が見ちゃダメなヤツでしょ!?ジュリアスくんだって興味なさそうだったから安心して書いたしファンレターも多く届いたから僕は創作意欲を掻き立てまくりで書いて挿絵も描いてたのに!  この穢れを知らない顔のジュリアスくんが全部穢れまくりの本を読んだとか!!いや、元ヤンのジュリアスくんだって前世エロ本は読んでただろう!なんならAVも観てただろうし、でもモデルが自分とか本人からしたら絶対気持ち悪いだろうに全部読んだとか!!  うわぁ!もうダメだ!僕の変態思考が全部全部全部ジュリアスくんに知られてしまった!!おしまいだー!  何がおしまいなのかはわからないが何かが僕の中で終わった気がした!!  親にエロ本見つかった時のアレに似ているかな!?  罵られるの覚悟で僕は土下座した。 「何してんだ?お前は?」 「すみませんでした……モデルにして……もうこれ終わらせて違う主人公で書くから許してくださいいいいい!」  と謝ると 「おい待てや!終わらせんな!気になるだろ!?ふざけんなよ!」 「えっ!!?」  聞き間違いかと顔を上げると真っ赤になり 「こ、こんなの創作物だろ!?確かに俺モデルだけどこれは別に俺じゃねぇし!!それにお前のファンもなくぞ!?いきなり終わったら!  く、悔しいけどお前結構才能あるんじゃねぇか!?お、おお面白かったし!」  と真っ赤になりそう言った。  僕はなんかもうそれだけで嬉しくて嬉しくてこんなに嬉しいのは初めてだった!! 「そそそ、それは……ジュリアスくんもとうとう腐男子のナカーマという事!?嬉しいよ!!」  と言うとめっちゃ冷たい目をされて 「は!?誰が腐男子だよ?オタクになる気はねぇよ!この世界漫画ねぇしつまんねぇから読んだら面白かっただけだ!勘違いしてんじゃねぇよ!  それとこれとは別なんだよ!!」  とぷりぷり怒る。僕は久しぶりになんか沸き出るものを感じた!ヤバイ!例のやつだ!あれが来る!! 「ふぅん!?面白いってことはさ?ジュリアスくん……僕のファンって事だよね!?続きが気になるんだね!?ふふふ」  とニヤリと笑って言うと 「は!?ファン!?そこまでじゃねぇ!続きは気になるだろ!?別にファンじゃなくても!」 「ふうん!?へえ!?ねえ?どこが面白かったの?ちょっと作者として聞きたいから教えてよ!?じっくり?」  とニヤニヤしているとジュリアスくんが真っ赤になっていく。 「………」 「ねぇどのCPが良かった!?それとも複数!?」  と耳元で虐めてやると恥ずかしさで爆発しそうになり微かに震えるジュリアスくん。 「くっそ!!俺は……俺は!!ロミオのファンだよ!!!」  と言ったから僕はビシッと固まった!!  な、なんだと!?ロミオ……!?あのヘタレ変態覗き魔設定のあいつがあああ!!?ズレてる!!ロミオファンは希少だ。皆ほぼ、ジュリエットのファンであのエロシーンが良かったとか感想くれるから!!  ロミオは正直あの世界ではマスコット的なしょーがねーなこいつみたいな位置なのに!!?変態だから面白いです!みたいな感想はよく貰いますけどー!? 「ちなみにロミオのどの辺が好きなわけ!?」 「は!?お前作者のくせにわかんねーのか!?ロミオのこと!こいつ…一途じゃねーか!!ジュリエットがめちゃくちゃ他の奴とやってんのにそれでもジュリエットのこと好きで自分は浮気せずにいる!!」  という。  いや、ロミオは……なんというか、かませ犬的な位置で……ジュリエットと絡めず見守る的な変態だからね!?  一途!?ロミオが!?いやいや他の男とやってるの見て喜んじゃってる変態くんだけど!!?  それを毎週読者のツボで笑うとこなのにジュリアスくんはなんか 「ロミオの事が気になってよぉ!こいつにもワンチャン作ってやれよ!!可哀想だろ!?」  とか言ってる!!衝撃で死にそうだ!!ロミオ変態なんだってばよ!!  でも……そういう見方もあるのか。  ジュリアスくんはロミオとジュリエットが結ばれてほしいのか。シェイクスピアみたいに!?あれは最後死ぬけど。 「……お前いいよな。好きな事できて」 「へ!?」 「俺は何もねえんだ……好きな事。こんな身体だし。勉強も嫌いだし。俺……どうしたらいいんだろうな。お前が羨ましいよ……」  とジュリアスくんはしょんぼりした。 「……ジュリアスくん……」  彼にやりたい事があってもこの身体の弱さじゃ何もできないだろうな……。旅行にも行けないし外出さえまともに出来ないし本を読む事くらいしかない。 「あ、ぼ、僕続きを書くから!楽しみにしててよ!僕の本を!!」 「そ、それは……ああ……」  だよね、僕が書いてもジュリアスくんはやる事がない。身体が治らないと……治らないと何も……。  治る!!治ったら?? 「……ジュリアスくん……僕と結ばれたら身体が治るよ……」 「は!?」 「………治療の為に僕と……たった一回やったら治るかもしれないよその身体の弱さ!」  と言ってしまった。この方法しか思いつかなかった。  ポカンとしていたジュリアスくんがみるみると赤く染まった!! 「そんなの無理だろが!アホかお前は!!」 「割と本気だよ。君の体が治ったら好きな事多少は出来るようになる!自分で身を守ることももしかしたらできるかも!?体が弱すぎて何もできない今と比べたらマシになる!」  と言うとジュリアスくんはーー 「…………一回………」  と呟いた。 「うん……」  と言うがジュリアスくんは首を振った。 「ダメだ!俺は好きな奴としか寝ない!」  と言って僕はショックを受けた。あれ、何故だろう?胸が信じられないくらい痛いぞ!!?  そんなのわかってるよ!?うん。 「お前は俺のこと好きなのか!?散々虐めてきた前世の俺のこと嫌いだろ!!そんな奴と同情でやれるわけねーだろ!!くそ!」  とジュリアスくんに正論を吐かれたが 「……だよ……」 「ああ!?なんだって?」 「僕は……ジュリアスくんが好きだよ!!」  と叫んでしまったのだ!!

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