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第26話 ライバル出現!?

 ジュリの体力が着いてきてだいぶ外出もできるようになりました。一緒に登山用具を揃えようとセバスくんのオーランド商会に二人で出かけた時のことだ。  血相を変えたセバスくんがとある薔薇本を持ってきたのだ!! 「先生!ライバルが出たよ!!」 「はあ!?」  とジュリも不審な顔をした。 「このBL本は隣の国から出てるんだけど…中々に秀逸!いや、ボクはもちろん先生のファンですけど!  隣の国で大人気らしいのです!!作者は不明。そもそも薔薇本を作るのは相当高位貴族ですからね……。本を庶民は作れませんので」  とセバスくんは言い、僕に青い薔薇の装丁の本を渡した。作者の名前を見て僕はギョッとした!! 「え……ホノーカ・イコーマ!?生駒穂乃果!!?」  この名前って!!  前世で高校の時の僕の漫画部の先輩の名前だ!女子ばかりの中に僕はぽつんといて最初の頃は慣れなくて絵を端っこでちまちま描いてたら生駒先輩がやってきて僕にBL本を見せたりして僕が腐男子になったきっかけの人だ!!  生駒先輩は絵が上手く僕に色々親切に教えてくれた……ちょっと、言っちゃなんだけどかなりポッチャリと言うか樽体型で太っていた。フレンドリーで後輩の僕によくスキンシップしてお笑いの芸人の真似したり笑わせてくれたりした人だ!! 「おい……知り合いなのか!?いこまほのか!?女かっ!?」  とジュリが驚く。 「前世でお世話になった漫画部の先輩だよ……」  と言うとジュリは 「何でそいつが隣の国でこんな本出してんだ!?この世界男しか居ねえはずだ!」  するとセバスくんは 「ふむ、察するにその前世のロドリゲスくんの先輩さんもきっと死んで神様に生まれ変わらされてると思いますよ!?」  と言うからしっくりきた。 「………生駒先輩が……男に生まれ変わったんだ……」  となんかポカンとなった。 「おい、ロディ。その生駒ってヤツ……前世どんな女だよ!?お前まさか好きだったとか!?」  と言うからヤキモチかな!?可愛いと思った。 「ふふ、違うよ。先輩はちょっと太ってる優しい腐女子だよ。僕に色々BL本のこと教えてくれたりしたんだ。面倒見のいい先輩だよ」  と言うとジュリは眉間に皺を寄せた。 「へえ……デブ女ってそんなに良いヤツとは思えねぇけどな」  失礼な。生駒先輩が聞いたら怒るぞ?体型は樽かもしれないけどデブでも良い人はいる。ちょっと夏場は触られると暑苦しいけど。  とりあえずセバスくんにその本を借りて僕たちは王宮に戻ると…お父様ゼルフ国王陛下にお母様シェル王妃に弟達……クルト・メダル・エイトまで正装で揃っていて誰かを待っているようだ。 「メイベル……どうかしたの?勢揃いで!」  と聞くと執事のメイベルは 「ロドリゲス様……実はこれから隣国トルシェルド王国から第二王子……フェルナンド・リディ・アルシーム様が訪問されるとのことです!」 「えっ!?隣国の第二王子が何故?」  と聞くとお父さんが 「……わからんが急に……この国に訪問して……お前と話がしたいと言ってきた。何処かで会っていたのか?」 「へ?いえ……会ったことはありません」  と言うとジュリがお父さん達に挨拶した。 「陛下……王妃様……王子様方……ご挨拶が遅れました。ジュリアス・ディー・スプリンフィールド侯爵家令息でございます……」  と礼をした。 「おお!綺麗な仕草ね!お身体はもういいの?」  とお母様が聞いた。弟達もボーッとジュリを見て頰を染めた。 「お母様、お父様……この頃ようやくジュリに体力がついてきて近いうちに会ってもらおうと思っていたのです。僕の婚約者を改めてご紹介します」  と言うとお父さんは 「いや一応姿くらいは知っておるよ。ジュリアスくんは有名だからね……」  とお父さんはチラッとなんと僕が書いた本を持っていた!!ひいいいい!  親に知られてたのか!!?  と思ったら 「このチハーヤ・ササキーノ先生の本は実にいい!会ってみたいが正体不明の貴族らしいからなぁ」  と言い正体はバレてないけどまさか息子がこれを書いたとは思ってないだろう!むしろバレたら嫌だわ!流石に! 「まぁ……とにかく貴方達もきちんと正装してきなさい。まだ到着まで時間があるから」  と言い、僕とジュリは正装する事にした。  僕の準備が終わるとジュリの部屋に呼びに行くと侍従に綺麗にしてもらったジュリが輝くような美しさで正装していた。 「ああ……綺麗で目が眩む!」 「……ちっ!お前こそ……似合ってんじゃねえか!」  と言うとメイベルとタブラーさんが 「まぁ少しだけなら良いでしょう。まだ到着されてないので!少しだけですよ!服は乱さないでくださいね!」  とメイベルに厳しく言われタブラーさんと共に下がって扉を閉めた。  僕はジュリに駆け寄り抱きしめた。 「おい!服が皺になるだろ!!んっ!!」  と言うジュリに口付けた。 「こんな綺麗なジュリを……隣国の王子に見せたくないなぁ……取られちゃう!」  と言うとジュリは照れて 「バカか!取られるわけねぇし!お前以外嫌だよ!心配なら手でも繋いどけ!」  と言うジュリが可愛い。頬を挟み角度を変え深くキスを楽しんだ。 「んんっ……ふっ……ロディ……この……」  と気持ちよさそうに言うがジュリも僕の舌の虜になっている。ああっ我慢できないんだけど!?思わずお尻を触っていたらその手を掴まれて 「バカ!ダメだって!これから第二王子が来るんだから!タブラーにも怒られるしお前もメイベルさんに怒られるぞ!」  と言われ仕方なくやめた。 「……終わったらしてやるから……」  とボンボンと背中を叩かれる。元気になったジュリ。背中叩かれても全く痛くないけど。  *  しばらくしたら第二王子が到着して僕達はキスだけのイチャイチャを中断しお父さん達の所へ戻って待っていた。  すると第二王子…フェルナンド・リディ・アルシーム様が護衛騎士と共にやってきた。  なんか……うん、イケメンだね。僕より少し体格もいい筋肉質だ。男前だ。濃い緑の髪をセンター分けしており瞳は黄金色だった。  うん、文句なしの攻め体型だなぁ。  と思って見ているとこちらにずかずか歩いてきてジュリをチラッと鋭い目つきで見て直ぐに視線を僕に戻して……なんと僕の前に跪き僕の手を取り甲にキスをブッチューとした! 「えっ!!?」 「あっ!!」  と僕とジュリも驚いていたらイケメンがキラッと白い歯を見せ 「やっと会えた!!ロドリゲス王子様!私の運命の人よ!!」  と言い僕は……かつてないほどゾワリとした!!するとジュリが怒ったように前に出て 「第二王子様!!初めまして!!俺はロドリゲス様の婚約者でございます!」  と敵意むき出しで挨拶した。 「……ジュリエット……いやジュリアス様か。確かにビジュアルはいいけど……。君にはロドリゲス王子は似合わないんじゃないかな!?」  ととんでもない事を言い、お父さん含め弟達や使用人にメイベル達まであんぐりとした!!  僕とジュリはもはやこの国に知らない人はいないくらい有名だしお似合いだと言われているのに!?  しかも僕なんて執着溺愛ヤンデレ危険人物扱いされてるぞ!!? 「……ロドリゲス王子!どうか私を君の伴侶に選んでほしい!!」  と言われる!!はああああ!?  側でジュリがキレた音がした気がする。

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