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第31話 罠にかかりキレる僕①

 呼び出され密会場所に向かう途中もジュリは僕の腕を取り離れずにいた。何度か馬車の中でキスをして落ち着かせる。 「大丈夫だからね」  と不安なジュリを慰め、とうとう生い茂った蔦を掻き分け、まるで秘密の花園かよと思いつつ、手紙についてきた鍵を鍵穴に通して回すと隠し扉が開き奥に通路が見えた。石造りの通路でありカツンカツンと靴音が響いた。 「なんか薄暗いな!」 「怖いの?ジュリ」 「怖くねぇよ!なめんな!!」  とランタンを持ち歩く僕達。何処へ続いているのか。どうやら扉が見え、そこをノックすると中からどうぞとフェルナンドの声がしたから僕は慎重に開けて中に二人で入るとフェルナンドが紅茶とケーキをテーブルに用意していた。こぢんまりとした秘密部屋という感じだ。フェルナンド以外いないようだ。  僕達は着席した。 「……フェルナンド王子……貴方は……生駒穂乃果先輩なんですか?」  と口へ紅茶を流し込むのを見て言うと、 「………そうだよ!!その通り!!私は生駒穂乃果だ!!千隼くん、だよね!!やっぱり!!この本を見てピンと来て絶対に作者は千隼くんだと確信して私も真似してこの青薔薇の本を書いた!!」 「やっぱり先輩がこの本の作者だったんだ!!」 「あ、読んでくれたの?」 「あ、すいません、まだです!」  と言うとチッという顔をされた。だって嫉妬したジュリが本を踏んづけて 「こんな本読まなくていい!!」  ってゲシゲシしてゴミ箱に入れてしまったし! 「ま、まぁいいよ、それより……余計なの連れてきたね」 「余計なのとはなんだ!?俺のことか?俺のロディだからな!」 「はぁ!?お前の?私のだよ!千隼くんは!前世も今もね!!気安く触れんな!淫乱ヤンキー!!」  と驚くことにジュリがヤンキーな事も知っていた!! 「千隼くん……私ね、君が死んだ後にお葬式に出て泣いて帰り……帰りの電車待ってて酔っ払いに背中押されてホームから転落して電車にはねられて死んだ……君に告白できなかったのが心残りだったの!!  前世から実はずっと好きだったの!生まれ変わってイケメンになってこれなら腐男子の千隼くんも私の事好きになってくれるかなって頑張って鍛えたのよ!!」 「待ってください先輩!!僕はもうジュリがいるし……前世のことは……」  と言うが先輩は恍惚とした顔で 「千隼くん……前も良かったけど今も本当にイケメンプリンセスになったよね!!受けでも攻めでもありだと思う!!  神様から聞いたの。千隼くんと一緒に死んだヤンキーと結ばれるとか……私が許せると思う?  だから神様の首根っこ掴んで私をこの世界にイケメン転生させて千隼くんを助け出すつもりだったのよ!見つかってよかったあ!!」  と生駒先輩であるフェルナンドが嬉しそうにするがジュリは 「……てめえのことはロディから少し聞いてたけどよ?前世も今も馴れ馴れしいよな!千隼もロディもてめえの事なんか好きじゃねえよ!!」  と言うと先輩は 「は!?ヤンキーで虐めてた奴がどの口を叩くの?千隼くんを今世でも脅してんでしょ?神様の力で病気を治す為にあんたに付き合ってやってるだけよ!  千隼くん、もうこんなのと付き合わなくていいの!私と結婚して幸せになりましょう!」  と勝手に話進められてる!! 「いや、……前世のことはもういいんです。先輩。佐々木千隼も御影詩季ももう死んで僕はロドリゲスとジュリアスと共に生きていこうとしています。  僕達は心から許し合い愛し合ってるので邪魔しないでください!」  と僕がハッキリ言うとジュリが感動して腕を取り 「そうだ!ざまあみろ!!ロディは俺のことが好きだし俺も大好きだ!俺たちの仲は引き裂けねえよ!」  と言うと先輩はくくくと笑いパンと手を叩くとガチャっと扉から天井から床下からゾロゾロと男達が現れ僕とジュリが抵抗も虚しく捕まってしまった!!

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