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第36話 悪知恵浮かぶ(ジュリアス視点)

 ちょっと眠ってたみたいで起きたら、俺は整えられた綺麗なベッドで、きちんと服を着て横からロディに抱きしめられていた。 「あ……起きた?ジュリ……。びっくりしたよ、突然お風呂でのぼせて倒れちゃったから急いでベッドまで運んだんだ」  と言われて先程までの行為を思い出し赤面する。  ロディに日頃お世話になってるし、ちょっとしたサービスのつもりで、あんないやらしい洗い方して風呂の熱気とかにあてられて俺は気絶したのだ。  ロディに嫉妬され綺麗にされた俺。……執着すげえ。怒らせたら怖え。でも優しい。 「それにしても……あいつほんとキメェな。話し合えるのか?お前思い出す度に湿疹出てんじゃん!」  と言うと困ったようにロディが 「……そうなんだよね。今もほらちょっと思い出したら」  と腕を捲って俺の目の前に出すと、うっすら湿疹が浮かんでいた。 「あいつお前の事好きなんだろ?ドMだし。どうすんだよ?俺……お前と結婚できないのか?」 「そんな事ないよ!もちろんするよ!もう前世なんか関係ない。先輩との因果も断ち切る!!……でも会うと湿疹出るしなぁ。お父様たちの手前あんなカッコいい主人公発言しちゃったし……どうしよう!めちゃくちゃ恥ずかしい!」  と顔を覆いメソメソし出した。 「おい、バカタレ。なんだよ折角カッケェと思ってたのに!」 「でもねぇ……正直ノープランだし……。あの人刺激させたら何してくるかわかんないし!あの人見ると悪寒が走って湿疹出るし!」  とロディは怖がった。ヤンデレも怖がるドM。 「もういっそ二人で何処かに隠れて過ごしたいね。王子面倒。弟が継げばいい」 「こらこら責任をあいつらに押し付けんな長男だろ、しっかりしな!」  と説教するとロディは身を寄せて俺のうなじにキスした。 「どうしたらいいかな?」  チュッ……。 「うん…そうだな……」  チュッ……。  キスしながらだと考えられねえだろ!ボケが!!  ロディは奴と会うと考えると湿疹が出るくらい嫌だし、俺もロディがそんな目にばかり合うのはなぁ。それになんかあいつと面と向かって話させるとかムカつくし絶対なんか仕掛けてくる!あのデブ女……いや、フェルナンドの目はまったく諦めちゃいねぇしロディが奴を殺してもロディにトラウマができるだけの気がする。  きっと恍惚な顔をして死んでいくだろう。それはなんか気持ち悪い。後味も悪い。 「……なんかお前にそっくりな影武者とかいればな…」  と言うとロディが 「はっ!そうか!その手が!!凄いやジュリ!!影武者に任せようか!!」  と言う。 「はあ!?いるのかよ?」  と言うとロディは悪い声で笑いながら 「くくく……でっぷりした未婚の、禿げた、今まさに絶賛お嫁さん募集中のおじさん魔道士がいるんだよね!彼はそんなに魔術にたけてないけど短時間なら変身くらいできるだろう……。  たぶんフェルナンドは僕を狙ってどうにか洗脳してでも僕とやらしい事をしようとするだろうね。でも……途中で変身が解けてでっぷりおじさんとヤッてたらフェルナンドを天国から地獄に叩き落とせるしトラウマを与えられる!」  とえぐい事を話した。 「もうフェルナンドは僕の事を考える度におじさんの事も同時に浮かび諦めてくれるかも知れないよ!」 「うわあ!ゲスの極み!!ロドリゲスだけにゲスいな!!」 「とうとうそんな突っ込みを入れてくるなんて……」  と言われるが 「でもそれで怒らせて逆に戦争仕掛けてきたらどうすんだよ!?」  と聞いてみると 「それなんだけど……思い出した。ほら僕の剣の師匠の剣豪アイザック・ロードリア先生がいるだろ?あの人の奥さんが実は数千年も生きる幻の竜の子孫の王子らしくて……とにかくめっちゃ強いらしい。  先生が若い頃旅で何度も奥さんと戦ってついに愛し合うようになり夫婦となったらしくてね」 「マジかよ。あのおっさん、そんな凄え奥さんいるのにまだ子供だった俺の尻狙ってたのか!?」  と子供の頃のおっさんのいやらしい視線を思い出してゾッとした! 「仕方ないよ。あの頃のジュリも総受けでとにかく男を惹きつける媚薬みたいな存在だったし。僕とくっ付いたことで病気体質は変わったけど基本の総受け部分は残ってるからね。これは一生続くと思う。  でもジュリのお願いなら先生もあっさり奥さんと協力して国を守護してくれると思う。  竜の守護を受けた国を攻撃なんてしたら攻撃してきた国は竜の怒りの炎により一夜にして炭になるって昔先生が教えてくれたんだ」  と聞いて更にゾッとした!あのおっさんただの剣豪と違い、そんな恐ろしい奥さん持ってたのか。 「でも……今、師匠が何処に居るのかわからない。あの人気まぐれで旅に出て行くんだ。剣豪だからね……。命を狙われることが多くて奥さんとあんまり一つの国に長居しないんだって」 「うえええ!?じゃあどうすんだよ?連絡つかねぇのか!?」 「……大丈夫だよ。ジュリが困った時は通信魔石で知らせてくれって置いてったよ。物置にぶん投げておいて放置して数年経ったから掃除して探せば何とか見つかると思う」  と言ってロディが困ったように笑った。 「何してんだよ!お前は!!とりあえずさっさと魔石探すぞ!?」 「うん……可愛いジュリを師匠に見せるのはなんか嫌だけど仕方ないね。先生もそろそろ皺ができる頃だし萎えてるといいけどジュリの総受けの力で蘇るかもね」  と言う。キメェ。 「だ、大丈夫だ!俺は我慢するぜ!ロディを守るためなんだ!おっさんにも奥さんいるし大丈夫だろ」 「ところが、先生は実は旅先で奥さんの目を盗み、可愛い男の子を見つけると食べちゃうと当時から噂があったからね……」 「ぎえっ!」 「まぁ僕がいる限り先生でもジュリに手を出したら目玉くり抜いてぶっ殺すから……」  と恐ろしいヤンデレがいやがる。  一応お前の師匠だろ!剣豪だろ!  ロディは額にチュとキスを落とし 「さあ、そろそろ眠ろうか。それとももう一回お風呂に入る?」  と言うから俺は慌てて 「もっ、もういい!寝る!」  と目を閉じようとするとロディが少し起き上がり 「うん、おやすみジュリ。良い夢を」  と唇に軽くキスしてまた後ろからまるで逃がさないように抱きしめられたまま、俺たちはそのまま眠りについた。

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