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第41話 ヤンデレの要望(ジュリアス視点)***①
***
山を降りて疲れ切ったので麓の村の宿に泊まることにした。
ロディは夕飯を部屋で俺と一緒に取ることにしてメイベルやタブラー達は下がらせた。
この宿屋は壁が薄いとか言い、防音効果のある魔石を四隅に置いた。
「ジュリ……疲れだろう?僕の膝においで」
と目が細められる。これは……逆らうと後々ネチネチと虐めてくるから
「飯食べるから股間にテント張るなよ!?」
と注意して仕方なく座ってやる。
テーブルの上にはこの村の特産の山羊チーズを使ったものやコクのあるシチュー、採れたて新鮮野菜のシャキシャキサラダ、鶏肉のハンバーグなどが並んでいる。
「ジュリ、どれから食べる?」
「普通に自分で食いたい。お前直ぐ口移しするから味わえないだろ?」
と言うと……、
「ジュリに僕の唾液ごと食べてもらいたいのにな」
「キメェ……」
と眉をひそめる。
「ねぇジュリ……お願いがあるんだけど」
とロディがこう言う時は大抵無茶なことだ。
「なんだよ……嫌だぜ」
と言うと
「えっ!?まだ何も言ってないのに!?」
「言わなくても予想つくぜ……」
「そんなぁ!山登りまで連れて行ったのに……。ジュリばかり楽しんで僕の楽しみは何もないの?」
「あんだよ、いつもベッドで楽しみまくってるくせによ!」
と言うとロディは
「それはそれ。いつものは……凄く優しくしてあげてるじゃないか……」
と食事中なのに服の上から胸を触るのでベシと叩くと
「……むう」
と拗ねた。
「なんだよ。一応聞いてやるけど嫌な予感しかしねぇ」
「一回だけ縛らせて拷問しながらしたい」
とヤベェこと言い出した!俺は青ざめた。
「何言ってんだお前。普通に怖ええ」
しかしなんかヤンデレ化が進行しているらしい奴はつり目を細めた。
「………ジュリが山を登るために麓のこの村まで来て…いろんな村人達が僕達を迎えてくれたけど…皆ジュリの美しさで股間隠してた。僕のジュリがまた他の男の脳内で犯されてしまったんだ……。許せない。……だからジュリ【美しさ見せびらかし罪】で拷問にかける」
と無茶苦茶言い出した!!
「おいふざけんな!なんだそりゃ!知らねぇわ!そんな他人の思考なんか!いやお前の妄想じゃん!」
「ジュリは総受けなんだからね。もし僕が居なかったら村人達の餌食だったよ……」
「うぐっ……」
これまでの経験からしてあり得るので反論はできねぇ。
「という事で僕の言う事聞いてくれる?」
目の前のご飯が……まるで刑事ドラマで捕まったカツ丼に見えてきた!!
「ジュリ……お願い……」
とロディが優しく手を握る。
「………わかったよ……」
渋々うなづくが好きだから許す。
ご飯を下げてもらうとロディはゴソゴソとリュックから普通になんか猫耳とメイド服を取り出してきた!!この世界には無い筈の女物の服を何故持ってる!?
「秘密裏に制作させたんだ……くくく。これを着てもらおうか」
とロディは服を渡した。
マジかよ。
しかしロディの目が早く着ろと言っており恐ろしい。くっそ!定期的にヤンデレ化してたけどフェルナンドが排除されたことによりたぶん俺の知らない所でヤンデレが溜まっているのかもしれない!ストレスと同じで。
俺は覚悟を決めメイド服に着替えて猫耳をつける。うわっ!スカートなんか着たから足元がめっちゃスースーする!!女の服ヤベェ!
着るまでジーっと見られていたしどうせまた脱がせられるだろうが恥ずかしいな。
「おい着たぞ!」
と言うと軽く額をつねられる。
「……にゃっでしょ?」
「は!?」
「語尾に『にゃっ』でしょおお!?それ着たら!」
とロディのつり目がヒクヒクし顔が真っ赤になり……鼻から血が垂れた!!
「うわあああ!!ロディ!!血……!!」
と青ざめるとロディがハンカチで拭いた。
「はぁ……なんていやらしい……。まさか想像の倍を行くとは!きっとこの姿を村人達が想像したらジュリは……」
「いや、村人達はこんなメイド服の存在知らねぇよ!!」
と突っ込むと久々に壁ドンされた。
「……語尾に『にゃっ』」
と間近で吊り目の青が迫った。真剣な顔をしているロディはちょっと怖いけど美形なので釘付けになった。
「……し、知らねぇにゃ……」
ともごもご言うと顎を掴まれちょっと強引にキスされ始めて一気に気持ち良くなってしまった。
ロディの舌が僅かに開いた口から入り込んでくる。そのまま俺の舌を捉えて何度も舌でキスする。これが気持ち良すぎて俺は溶けそうになる。
くうう!悔しいがこいつのキス好き。ていうか上手い。まさか俺以外として無いよな。いやそんなわけないか。そんな事を言ったらもっとキレてしまう。多分前世のオタク知識だ。
「嘘つき……こんなに綺麗で可愛い姿を皆の脳内で披露して犯されたんだ……。気持ちよさそうな顔して……」
耳元で囁かれると麻薬で幻覚見たみたいになるからやめろお!
俺ははあはあと息を整えつつもツッコんだ。
「お、お前としてるから気持ちいいんだろうが!」
お前の脳内おかしいって。確かにいつもみたいに村人達と会った時は皆俺の事ジロジロ見てたけどいつものことじゃねぇか。
ロディの美しい顔が歪んでニヤっといつもの意地悪顔になった。
「……さぁ、拷問を始めようね……。ではこの椅子に座りなさい」
と椅子を用意して座らせられた。あれ?ベッドじゃないのか。
仕方なく座るとロディはしゃがみ込み俺を椅子の後で細いロープで縛った。一応痛く無いようにはしてるがガッチリ外れない結び方。どこで覚えたんだ!?
それから正面に回ると
「うっ!!」
とロディは頭に手を置きクラリと目眩みたいの起こしかけた。いよいよヤベェ。
「……反則級だ。そそる!まさかジュリを拘束しただけでこんなになるなんて!」
と見るとめっちゃロディの息子がヤベェことになってやがる!どんだけ興奮してんだ!!
ロディは次に紙とペンを取り出すとシャッシャと絵を描き始めた!!
ぎ、ギェええええええええ!!!
まさかの次回作に俺のこの猫耳がファンに!!?
と思う暇なくスケッチが終わると丸めてリュックに仕舞われた。せめて見せろ。
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