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第43話 最終回を書いた

 僕はここ数日は執筆部屋に篭りジュリが声をかけても中には入れなかった。相当集中してるのかとジュリは 「が、頑張れよ!?」  と声をかけてくれた。終わったらたっぷり愛し合おうねと扉越しに声をかけた。少し寂しげな返事をされジュリの足音が消えてく。  そうーー  僕は……薔薇本ロミジュリの最終話を書いているんだ。物凄い集中力で。  ファンからの手紙も多く届き、今や国中に僕がロミオでジュリがジュリエットだとモデルとして知られるくらい有名になった。セバスも期待してるし、頑張ろうと思う。  そして一週間くらい経って僕はようやく書き上げた。  よろよろ出てきた僕を部屋の外でジュリがご飯を持ち待っていた。 「大丈夫か!?原稿終わったのか!?」 「うん……最高の最終話が書けた……」  と少しげっそりしながら言うとジュリは 「そうか……お疲れ様」  と抱きしめご飯を食べる様に言う。 「ジュリ……僕が食べてる間にこれ……読んでくれる!?」 「え?いつもは発売まで待たせるのにか!?」  と驚く。 「いや……いいんだ。一番にジュリに読んでほしい」  と告げるとジュリはわかったとうなづき真剣に読み始めた。僕はその間にバクバクとお腹を満たしていった。  ついでにお風呂にも入りキッチリして部屋に入るとうるうるしながらどうやらクライマックス部分を読んでいる。    長い間変態だったロミオはジュリエットがいろんな男達としている時のメモをとうとう破り捨て、独自の愛し方でジュリエットを骨抜きにしてスーパー変態ロミオへと覚醒し、それにジュリエットは毎夜惚れ直してイク。  なんで自分はこんなにもロミオを放置していたのかと反省し、他の男達との関係を断ち切り自ら一生ロミオに監禁されることを選ぶくらい愛し合っていた。  昔のしつこい男が現れてジュリエットを奪い返そうとしたりしたが勇気を出したスーパーロミオ王子により撃退に成功する。  二人は親達から隠れて愛を育んだ。  ジュリエットは昔の男達に狙われる中、食事に毒を盛られ殺されそうになったロミオは毒で倒れた。死んだようになったがジュリエットの介護でようやく一命を取り留めた。 「良かった!ロミオ死ななくて!」  その頃にはもう号泣なジュリ。僕は横に座り読み終わるのを待った。  因みに僕が特に頭を捻ったのはここの部分だ。  ーーー 『……ジュリエット、もう誰にも触れさせない』  ロミオの声は低く、しかし震えていた。 『ロミオ……俺ももうロミオにしか触れてほしく無いよ』 『では一緒に行こう……2人だけの秘密の箱庭へーー……』  その後2人は死んだとされ、実はひっそり生き逃れ、その箱庭で愛を育み合いながら暮らしているという……。  ーーー  ようやく読み終わったらしく涙を拭き 「いい話だったよ!お疲れ様!」  と言うからクスと笑い 「ジュリまだ、あとがきを読んで無いでしょ?」 「本になったら読めばいいじゃねえか?」  と言うから 「だめ、今読んで」  と促した。すると原稿をめくりあとがきを読み始めた。  ーあとがきー  皆さんいつもロミオとジュリエットの応援をありがとうございました。この巻にてロミジュリのお話は一旦最終回を迎えます。沢山の方に読んでいただき僕は嬉しいです!  そして皆さんもご存知の通り……この本にはモデルがいます。ジュリエットは未来の王妃【ジュリアス・ディー・スプリンフィールド侯爵令息】です。皆さんもご存知の通り美しい容姿ですが、本当に複数人の男達と関係を持っているわけではありません。彼は初めから僕としか愛し合いません。  そしてロミオのモデルは作者である僕……国の未来の王【ロドリゲス・フォン・アークスカイ】です。  僕もまたロミオのような激しい変態ではないですがジュリアスを心から愛しています。  そして僕はこの最終巻の原稿を一番に婚約者の愛するジュリアスに読ませることにしました。  ここからはジュリアスへ。  愛するジュリアス……どうか僕と結婚しいつまでも幸せに暮らしましょう。愛しています。断られてももう僕からは君を閉じ込めてでも一生一緒にいると誓います。  愛を込めて  と締めくくっていたのを読んだジュリは目を丸くした!!  紫水晶のような瞳からボロボロと涙が溢れた。 「……な……どんな……サプライズだよ!!」  と赤くなり泣いて僕はポケットから指輪を取り出してジュリの綺麗な細い指に嵌めた。 「……逃げるなら今のうちだよ、ジュリアス。それでも僕は、君を離さないけど。  それでもいいなら——  僕と結婚してくれる?」 「……うっ……うう……」 「泣いてたらわからないよ?閉じ込められたい?」 「うっ……うう、ううう」  ジュリは泣き続けようやく顔を上げると 「はい……」  と応え、僕とジュリは熱いキスを交わした。 「……本当に、いいのかよ」  震える声に、僕は笑った。 「遅いよ、ジュリ」 「もう逃がさないって言ったでしょ?」  *  それから国中にあのあとがき付きの最終巻が出回り飛ぶ様に売れた。ファンレターが毎日王宮に届きまくり師匠からもウィンフィル様からも長文で旅先から届くし、セバスももちろんお祝いまで贈ってくれた。  実はファンのお父様も泣きながら喜んでくれた。お父様はもはや直ぐに子供部屋まで改装し始めている。  僕達は国民が祝福をする中、結婚式を挙げた。凄い歓声に本を持ち結婚式のパレード中でもサインをねだる国民達に笑って手を振る。  もはや一家に一つは僕の本があるかも。この前から平民向けには安い価格で売り出すことにしたんだ。商人達は在庫の取り合いだし印刷所が目を回しているが儲かりまくりなので嬉しい悲鳴だろう。  しかもあとがきで僕が一旦終了とか書いてしまったので 「続編に期待!!」  の声が上がり大騒ぎで盛り上がってしまった。 ーーーーーーー ※次話はR18回となります。

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