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第51話 出産の不安(ジュリアス視点)

 数ヶ月もしたらお腹は大きくなり本当に風船みたいに膨らんだ……。重い。  だが時々俺の子供がお腹を蹴るので 「わっ!蹴ったぞこいつ!!」  と教えるとロディが直様お腹に耳を当てたりして喜んでいた。 「ふふふ、早く君に会いたいよ……。お父様が可愛がってあげるからね」  と撫でた。  そして俺の頬にキスをすると仕事に戻って行った。  俺はダブラーにも 「もうすぐお産まれになりますね。先生も言っていましたし」 「あ……ああ……」 「おや、お産が不安ですか?子を持つ者は一度は通る道ですよ?しっかりなさらないと」  そうは言っても……。俺は男だし、男が妊娠しない世界から来たんだから仕方ねぇだろう!?出産ともなると恐ろしくて堪らない。近頃は階段登るのもゼェハァしてるのに……。さっさと産んで身軽になりてえと思ってはいるが産む時の痛みを他の既婚者の子持ちに聞いたら皆口を揃えて 「人生で一番痛い瞬間……」  と笑った。 「これも経験です、王妃様」 「そうだな」  恐ろしい。俺は不安であった。  既に赤ちゃんの為の豪華なベビーベッドが先王様からのプレゼントとして運ばれており、生まれる瞬間を皆待ち侘びていた。  平な胸も出産準備の為にほんの少しだけ膨らみ力士かよと思いたくなる。ロディは美しいと触ろうとしたけどダメだと止めた。  流石に赤ん坊のミルクに影響出たら困ると言うと渋々大人しくなった。  *  それからしばらく後の夜中……俺はいきなり飛び起きた!尻の違和感。何か割れて尻から水が出たような……!?  ロディを起こして真っ青になって伝えると 「それ破水!?」  と言い直様医者を呼んだ!  医者がやってきて 「いよいよお産まれになるようです!ご準備を!」  と言い王宮内はバタバタした!  腹がなんかジンジンしてきてこれが陣痛かよ!!と思い俺は今かと待った。すると一際波が激しくなり思わずシーツを握りしめ 「ひいっ!く、来る!」  と言いとうとう凄い激痛が襲い始めた!! 「ひひひい!」 「王妃様違います!!ひっひっふーー」  呼吸を整える例のアレを助手が言う。  怖い!  と思ってるとロディの手が大丈夫だと俺を包み込んだ。 「ジュリ……頑張って……」  でもその声は震えていた。  その後……俺は叫びつつも痛みと闘った。死にそうだ!!いっそ痛みから解放されたくて 「ひと思いにやれーー!ちきしょおおおお」  と叫びながら耐えていると 「頭が出ました王妃様!もう少しですぞ!!」  と言われる。とんでもなく痛いがもうちょっとだと踏ん張る。 「ううううう……くううううう!ひっひっふー!」  と繰り返して大量の汗を流し出産を俺はした。  女って……こんな感じなんだ……と思った時とうとう全部出ていき……やっと子供が生まれ落ちたと感じた。  身体はもうぐったりしてほぼ動く力もない。本当にまだ痛い。お尻が裂けなくて良かった。  もうなんか二度と産みたくねーと思うくらいだ。しかしその時に 「おぎゃあああ!!」  と言う鳴き声が聞こえてきた! 「ジュリ!!やったね!産まれたよ!!」  と嬉しそうに言い、助手が赤ちゃんを産湯で綺麗にした後に俺達の所に連れてきて 「可愛い王子の誕生ですね!!」  と顔を見せてくれた時、俺は痛みを一瞬忘れて涙が出た。  可愛い。小さい。そしてちゃんと命がそこにあった。俺の子供!!  ロディもボロ泣きで俺の頭を撫でて 「ううう!ジュリ!僕達の子が元気に泣いている!!」 「見りゃわかんよ……」  赤子は俺の横に寝かせられ少しだけど温もりを感じだ。生きてるんだ!  信じられない!!  俺は疲れてそのまま死んだように眠りこけた。  *  俺の息子はダイアモンド・フォン・アークスカイだ。  髪は金髪で目は青い。  赤ん坊らしくないおとなしい子であまり泣かないがお漏らしやご飯の時泣いて知らせるので楽といえば楽な子だった。 「ダイア!ほら!お人形だよー?」  とクマの人形を渡してみるも特に興味ないようで眠るのが多かった。  ご飯の時間になると俺は乳を与える為ロディが使用人達まで追い出してしまう。  俺の胸に吸い付き乳を飲んでいるダイアは可愛いなと思った。ロディも時々飲みたがったが 「アホか!ふざけんな!」  と一喝しておいた。  赤ん坊が栄養不足で死んだらどうすんだ。首が据わるまで大人しくベッドに入れておいたり子守唄を歌ってやるとすやすやと眠り落ちた。  だがある日……  ダイアの様子がおかしい。 「ロディ!起きて!!ダイアが!泣き止まない!」 「え!?」  ロディが起き上がり青ざめた俺を見てダイアの元に駆けつけると 「おぎゃあ……ふぎゃあああ!!」  と泣いているのを見て 「赤ん坊だから泣くのが仕事とは言えこれまでダイアはこんなに泣かなかったのに!?おもつも替えてるしミルクの時間にはまだ早い。どうして……はっ!」  ロディが額に手を置いて熱を測り… 「もしかして熱が!」  と言い医者を呼んだ。  医者が熱心に調べていると 「ふーむ……熱が出ています。後……心臓が少し弱いのか……」 「え……」  俺は思い当たることがあった。  俺も小さい頃そんな診断を赤ん坊の時にされたらしいと聞いた時があった。 「ロディ……ダイアが……まさか俺の遺伝子を継いで身体が弱く病弱になっちゃったのか!?」  と震えるとロディは俺の肩を抱き 「大丈夫だよ。一時的かもしれない。様子を見守ろう」  しかしそれから度々と熱を出して泣いたりすることがたまに続いて心配になった。  それでも大切に俺とロディはダイアを育てた。  1年経ちダイアはハイハイが上手くできないようでハラハラした。頑張って四つん這いになろうとして力尽きた。 「うっ!ダイアがんばれ!」 「もう少しだよ!」  とロディと励ました。  ドテっと何回も転ぶ。 「……やはりダイアは……俺の遺伝子を継いでて身体が弱いんだ。ロディ……ごめんな……」  と涙ぐんだ。その時ダイアは震えつつも腕の力を入れて……なんと腕だけでハイハイした!!自衛隊の匍匐前進に似ている。 「ああっ!!」 「す、凄え!!腕だけで!逆にキツくないか!?」  とメイベルやタブラー使用人達も感動で拍手した。 「……ふう……」  と言い、ほんの少しだけど進んでダイアは疲れて眠った。 「よくやったなダイア!!」  と喜んだ。  ロディか俺の手を握り安心させてくる。 「不安はあるけどきっと大丈夫だよ、二人で……いや、家族で乗り越えていこうね」  と言い俺はダイアを真ん中にして涙を流してロディとベッドで額をくっ付けた。 ーーーーーーーーーーーーー ※次話はR18回となります。

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