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第55話 思い出したい(ジュリアス視点)
ダイアが寝入った後……誰かがノックした。
「王妃様、緊急の用事が」
「なんだ?」
「ロドリゲス様からのお手紙をお持ちしました!」
と言うので俺は何かあったのかと思いつい、扉を開けてしまった!
扉を開けた瞬間、異様な気配に気づいた。
すると衛兵でもないなんか貴族みたいな男が手袋をした手で俺が着けていたネックレスを引きちぎり俺を抱え上げて廊下の先にある魔法陣へと連れて行く!衛兵や護衛達が倒されていて使用人達も眠りこけていた!煙みたいなのが充満して俺も眠くなってきた!
「くくく!好機!ロドリゲス国王のいない今こそが!」
と魔法陣に走る謎の男。すると天井から光の輪が現れてストンとそこからなんと美形の国王が現れた。
コキコキと肩を回している。
「視察中に誘拐とか何回目だよ!!全く!ジュリ!安易に知らない人の声を信用しちゃいけないよ?」
と言い、男と対峙する。
「くっ!ロドリゲス国王!!死ね!」
貴族の男が魔法を放つ!!
ロドリゲスは素早く魔法を避けた。
次の瞬間、一直線に駆ける。
躊躇なく男の顎を殴り、腹を蹴り上げた。
宙に浮いた俺を抱きとめる。
そのまま剣を抜き、男の喉元へ突きつけた。
「お前の名前すら知らないが僕の妻に許可なく触れた罪は重い。魔法が使えるようだから名の知れた貴族だろうけど調べて潰す!……おい!」
と言うとまた天井が光りいくつかの黒い影の集団が男達を拘束して連れて行った。
「使用人達もすぐ目を覚ますだろうね。…大丈夫かい?」
「う、あ……っ、だ、大丈夫……」
ほんとはちょっと怖かった。
「そっか。じゃあ僕は仕事に戻るからジュリはとにかく気を付けてね、ダイアのことを頼むよ。部屋に戻って…」
と言うが俺はついロドリゲスの袖を掴む。
「ん?」
「あ、あの……し、仕事まだあるのか?」
「あるよ。後、2、3日で戻る予定だよ」
「ふ、ふーん………」
と名残惜しそうに袖を離すと
「ジュリ……寂しそうだね。ふふ。危険があったらまた戻ってくるよ。新しいネックレスを付けておこうね」
とこいついくつ持ってるのか知らないがお守りだと言って付けてきた。その際に青い目と目が合う。至近距離だ。
「うーん……。ジュリったら……そんな目で見ないでよ。我慢してるのに。記憶喪失だから優しくしなきゃなのに」
どんな目だよ……。と思ってるとロドリゲスは
「そうだね……キスしていい?」
と唇に指を置きトントンした。ドキンとした。
「もうずっと我慢してる」
と言う。
俺もなんかうずっとした。
近くの空き部屋に入るとロドリゲスの奴が壁に押し付け見つめ
「時間がないから少しだけね」
と言いとうとう唇にキスをされた。
(な、なんだこれ……!)
赤くなり熱くなり恥ずかしいがこの感触になんか覚えがあった。触れるだけのキスだが石になったみたいに動けない。
「ふう、一年ぶりだね、ふふ。怖がらせないようにゆっくり時間をかけるつもりだったのにな」
と言うロドリゲス。
——一年?
その言葉に、胸の奥がざわついた。
「じゃあ仕事に戻るからね、部屋まで送ろうね」
とダイアが眠ってる結界付きの部屋に戻された。ダイアにもキスをしてロドリゲスは
「それじゃあ行くね。あと数日で戻るよ」
と手を振る。
「あ……」
と俺は声をかけようとして光の輪がロドリゲスを包み込む。転送魔石から発せられるものだった。
ロドリゲスは目を細め笑い光と共に消える。
「ううむ……お母様?」
ダイアが起きて俺は駆け寄る。
「お母様?真っ赤になってるよお顔。どうしたの?」
「んんん?何でもないぞ??」
それから数日俺は部屋に籠った。あんな事があり王宮内も警戒して外からの侵入や内部の人間も調べられたようだ。
ダイアも2歳半にしてしっかりして現状を聞いており
「お父様が来なかったら危なかったです!!」
と息子にも心配された!!
「すまない……」
「お母様……僕がお守りしますからね」
と使命感を持つ息子。
「ありがとうダイア。ダメな王妃で母親ですまねぇ。なんとか思い出したいのによ」
俺が産んだなんて未だに信じられないがダイアとロドリゲス国王には何か絆みたいなのを感じているし信頼できる。時折様子を見に来るセバスチャンやその息子のセシル、従者のタブラーとかも信用できた。
なんで記憶だけ思い出さねえのか。やっぱり頭打って血が出たからかな?無理に思い出そうとすると頭の中キリキリして痛い。
思い出したいのに。それにロドリゲスとキスしてその事で眠れなくなるほどドキドキしている。間違いなく好きだし早く戻ってきてくれ。後1日だけど待ち遠しい。
*
ようやく仕事の終わったロドリゲス国王がお土産を抱え戻ってきた。ダイアは大喜びで犬のぬいぐるみにはしゃいだ!!
「ただいまジュリ」
「おっ……おう……お疲れ様……」
と俺にもたくさん花やら指輪やら本を持ってきた。
他にも色んな人に健康食品とか渡していた。ロドリゲスはダイアに絵本を読んで寝かしつけると明かりを消して子供部屋を出て寝室へと来た。
「ジュリーおまたせー」
といつもみたいに横になった。しかしジャラリとなんか腰の袋に気づいた。
「ん?なんだそれ?」
「はっ!またいつの間にかこんなものが!ふふ、ごめんよ……。つい癖が」
と腰の袋を外してベッドの下に隠した。
なんだあれ……。
——見たことがある気がする。
でも、思い出そうとすると胸の奥がざわついた。
するとロドリゲスは
「ジュリ……こないだの続きする?」
「えっ!!?つつ……続きって!」
「思い出させてあげようか?」
とロドリゲスが口付けた。
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※次話はR18回です。
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