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第10話 その肌の温もり
結人の反応で、女性ともオーラルセックスの経験のないことが分かる。
結人は女性経験があるとは言えど、実情は真っ新に近い。
真っ白のキャンバスを自分色に染めていく。結人にはその楽しみがある。祥吾はワクワクを抑えられない。
先ずは、今日の一番の目的を果たさねば……。
「ここに、俺のをいいか?」
結人の後ろの秘所に手を当て、優しく問う。
結人はびくっと反応する。そして、涙目で祥吾を見上げる。
あーっそんな目で見たらだめだろう! お前は俺を煽るのか!
「いいだろ?」
あやすように、再び問う。
結人は祥吾を見上げた視線を下におろすと、祥吾の勃ち上がった男のものが目に入る。
「だっ、だめだよ。そんな大きいの無理だよ」
「だからな、お前は何でそんなに俺を煽るんだよ」
えっ、煽る? 僕が? そんなつもり全くないけど……。狼狽える結人。
「大丈夫だ。心配いらない。無理な時は途中でやめる……なっ」
宥めるように言う。ほんとは途中でやめるなんて全く自信がない。けど、結人が本気で嫌がったらやめる。多分だけど……。
結人が祥吾の胸に顔を寄せる。諾なのか、否なのか判断がつかないが、このまま進める。でないと、祥吾の男も限界だった。
祥吾はローションの力も借りて、結人の後孔を丁寧に解していく。
恥ずかしいのか結人は祥吾の胸に顔を預けたままの姿勢。抵抗しないので、祥吾はそのまま進める。
結人は何と言うか達観した思いで祥吾の胸に顔を埋めている。
ここまで自分を求めてくれる。そのことに嬉しさも感じるのだ。
確かに未経験なこと、怖さはある。しかし、祥吾なら大丈夫だとの信頼もそれ以上にある。
このまま祥吾に身を任せよう。
結果何かあっても、その時考えればいい。そんな思いで祥吾に身を預けているのだ。
祥吾の指が結人の秘所に侵入する。結人はびくっと反応し、体を固くする。
「結人、力を抜け」
力を抜くと、祥吾の指が探るように徐々に奥へと入って来る。
あーっ、電流のような刺激が結人を襲う。
「あっ、あーっ……」
身を震わせ喘ぐ結人。
祥吾はここだぞとばかりに、そこを刺激する。
たまらず結人は喘ぐ。頭の奥から痺れるような甘い陶酔。
「あーっもうだめっ、……あん、指っ」
「抜いて欲しいか? 抜いたら俺のを入れるぞ」
祥吾へと縋り付くようにして結人は頷く。もう限界だった。
祥吾の勃ち上がったものが結人の秘所に侵入してくる。
指とは全然違う、質と量感に結人は慄く。でも、このまま受け入れたかった。未知への怖さと期待。
「あっ……あんっ」
「大丈夫か? あと少しだ」
結人は頷く。祥吾はそんな結人の髪を撫でてやりながら、ゆくっりと奥まで入れていく。
痛い。そしてこの圧迫感。でも、結人は良かった。痛みではなく、何か満たされる思いを持つ。
「はーっ、お前の中は熱いな……最上の心地よさだ」
祥吾は結人を抱きしめる。愛しい、一つに繋がるとこんなにも愛しさが増すのだろうか……こんな気持ちになるのは初めてだ。
「動いていいか?」
結人が小さく頷く。祥吾は動いた。初めは結人の様子を見ながらゆっくりと、そして徐々に早く、力強く。
「あっ、あんっ……あーっ」
抑えきれない結人の喘ぎも徐々に大きくなる。
「いくぞっ、お前も一緒に」
二人は、同時に果てる。祥吾は結人を抱きしめ、結人も祥吾に抱きついた。
祥吾は放心したような結人の額に口付ける。
「良かったよ……お前は最高だ、愛している」
結人は嬉しさと、恥ずかしさに祥吾の胸に顔を預ける。祥吾に抱きついたまま眠りの世界へと入っていった。
目覚めると、結人は祥吾の腕の中だった。
「起きたか? よく眠っていたな」
えっ、そうなの……。そして昨夜のあれこれを結人は思い出すと、途端に顔が熱くなる。
「どうした? シャワー浴びるか?」
うん、浴びたい。そう思って、起き上がろうとすると、腰が重い。結人は顔を僅かにゆがめる。
「腰、大丈夫か?」
祥吾が優しく撫でながら尋ねる。
「うん……」
頷くものの動きの鈍い結人は、祥吾に支えられながらバスルームへと行く。
「大丈夫か?一緒に入るか?」
心配なのか、下心があるのかの祥吾を振り切って一人で入る。
体は繋げたものの一緒に入るなんて恥ずかしすぎる。いや、だからこそ恥ずかしい。
昨夜のあれこれは、はっきりと結人の脳裏に残っている。
シャワーの刺激に、祥吾の愛撫も甦る。間違いなく自分の身に起こったこと。
まさかこんなことになるとは思わなかった。
思わなかったけど、全ては同意のもとだった。それは否定できない。
昨日以前もキスはしたけど、それで自分のセクシュアリティを考えたことはなかった。
しかし、抱かれたとなると、そしてそれが……。
頭の中がまとまらないままシャワーを終えて出ると、笑顔の祥吾に迎えられ抱きしめられる。
祥吾の腕の中にいると、今まで感じたことのない安らぎを感じる。
女を抱いた後のあの冷めた気持ちとの違いに、結人は戸惑いを感じるのだった。
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