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第2話
並んでいた列は漸く動き出し、二年詣り……いや初詣か…?
こういう時は欲を出さない方が良いなんて聞くが、ならなんの為の神なのか。
私利私欲に塗れるのが人間だ。
挨拶だけなんて欲が無さすぎる。
体調不良は嫌なのと、単位がほしい、それから…
手を合わせたまま視線を上げると隣も顔を上げる気配がした。
終わったか?と小首を傾げてきたので頷き、後ろも詰まっているので人波に飲まれながら列から離れた。
手を合わせるだけで指先はすっかり冷えている。
すぐに上着のポケットへと手を隠した。
「なぁ、なにお願いしたんだよ」
「言わねぇよ。
言ったらご利益なくなんだろ」
よく聞く言い分だが、言霊という言葉もある。
なんて言っても、そんなの気のもちようか。
結末はどうあれ叶うと思い努力することに意味があるのかもしれない。
けど、まぁ、定番のやり取りはした方が楽しい。
「物理的に俺が叶えられるかもしれねぇだろ」
「んじゃ、脱いだ服裏返したまま洗濯機に入れんな。
ピーマン残すな。
ペットボトルに1口だけ残して冷蔵庫に入れる癖も直せ。
茶碗は後ろも洗え。
それからケチってトイレットペーパーのシングル買うならグルグル使うな。
ケツにも優しいからダブルにしろ」
「うへぇぁ…」
「叶えてくれるんだろ?」
にっこりと笑うその顔は俺の好きな笑顔。
頷く他に選択肢はない。
「善処する…」
「やっぱり頼るなら、神様より佑樹かもなぁ」
善処くらいなら…なんとかなるだろうか。
悪い癖は早めに直した方が良いのは分かるが、つい…が出てしまう。
嫌われる前に行動で示さなければ。
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