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第4話 矛盾する心と身体 ***
「うう……っ」
「くそ、まさか……!」
「ひっ、や、やめて、ください……っ」
僕の履いていた登山用のタイツとショートパンツが一緒にずり降ろされ、男の目の前に僕のお尻が晒される。
あまりの恥ずかしさに、ただでさえ火照った顔が真っ赤になった気がした。
しかしそれは、始まりにすぎなくて。
つぷり、とお尻の穴に何かが突っ込まれた感覚に、真っ赤になった顔が今度は真っ青になる。
え?
え?
僕、今、何されてる?
お尻の穴に突っ込まれたモノが、今度はずぼずぼと出入りする。
そのたびに僕の身体はびくんびくんと跳ねて、身体にくすぶっていた疼きはより一層酷くなった。
ぐちぐち、ぐちぐち。
ずちょずちょ、ぐちゃぐちゃ。
「ふ、はぁ、んん……ッッ」
ローションも何も使った気配はないのに、なぜかお尻が女性器のように粘着質な水音を奏ではじめる。
どれだけ弄られていたのだろうか。
しばらくすると、ぬぽ、と尻穴を弄っていたものを引き抜かれ、僕はようやくホッと息を吐いた。
お尻の穴を弄られて気持ち良かったなんて、きっと気のせいだ。
ほんの少しだけ残念な気がしたなんて、あり得ない。
「……っ!」
ぐち、と尻の穴に先ほどのものよりずっと太く熱いものが押し当てられ、僕の身体に再び緊張が走る。
え。
嘘だよね?
だって僕、男だし。
その時初めて両手を離して貰えたが、痺れで感覚が戻らない手を自らの意思で動かす前に、ぐっと腰を持たれて後ろに引っ張られた。
「ひぁ!」
あり得ないと思っていたことが、実際に起こってしまった。
男である僕の後ろの穴を、男の男根がみちみちと押し広げながら、侵入してくる。
男との経験なんてあるはずもないのに、驚くほどにそれはとてもスムーズな動きだった。
「くっ……」
「い、いやです、やめてください……!!」
ベッドシーツに額を押し付けたまま、弱弱しく首を振る。
怖い。
男に犯されることではなくて、初めての行為に、快感を得てしまっている自分の身体が、怖い。
気を抜けば喘いでしいまいそうな口を閉じて、気持ちを落ち着けようと鼻で深呼吸を繰り返した。
けれども鼻腔を満たすあの香りに、脳まで犯される。
ゆるゆると男が動きはじめれば、まるで男女の営みのようにじゅぼじゅぼと卑猥な音をたてながら、僕のお尻の穴は突き入れられた男根を歓迎した。
嫌だ、気持ちいい。
気持ち良くて、嫌だ。
矛盾した気持ちを抱えたまま、僕の身体は相手の男性と繋がることに悦びを示す。
男の動きに合わせて、腰が揺れ出す。
男の精を欲しがるように、暴かれた道がうねうねと勝手に動き出す。
男の激しい突き入れを受け止めて、触れてもいないペニスから精液が放たれる。
男が達しても、萎えることのないその陰茎を逃がすまいと、僕の後孔は締め付け続けた。
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