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番外編① プレイヤーではじめまして③
部屋の中に入り、ドアが閉まると同時に腕を引かれる。気づいたら唇に柔らかいものが触れていて、目の前にはシュンの顔。キスされている、と気づいたのは数秒後。現実でもNPCに入っているときも誰ともキスをしたことがないので、これが俺のファーストキスだ。
たしか、キスをするときは目を閉じるものなんだよな。そう思いながらまぶたを閉じると、彼の唇の柔らかさがよりいっそうはっきりと感じられた。ちゅ、ちゅ、と何度も唇を啄まれる感触と、耳に入る濡れた音にドキドキする。
「ナギ、口開けて?」
ぺろ、と唇を舐められる。吐息が唇にかかってくすぐったいけど気持ちいい。言われたとおり口を少し開けると、彼の舌がぬるりと口の中に入ってきた。
「ふぁ、ぁ……♡ んんぅ♡」
上顎を舌でくすぐられ、舌を絡め取られる。熱くぬめった感触が気持ちよくてシュンの服の裾を掴む。口の中に溜まった唾液を飲み込むと、甘い味がした。このゲームにおいて唾液はデフォルトで甘く設定されていることを知ってはいたが、本当に甘い。だけど甘ったるすぎず、美味しく感じられるほどよい甘さ。もっと味わいたくて思わずじゅる、と吸うと、ふ、と吐息がかかる。
はっと我に返って唇を離そうとすると、彼の手に後頭部を押さえつけられた。驚いて目を開けると、視界いっぱいに広がる楽しげに目を細めた綺麗な顔。
「ぁ……ん、んぅぅ~~っ♡」
お返し、と言わんばかりにシュンが俺の舌を吸い、唾液を飲まれる。身体の奥が熱くなって、脚がガクガクと震えた。シュンが唇を離すと、つう、と2人の間に糸が引く。仮想空間だけど、実際に見ると本当にエロい。
そんなことを考えていると、ひょい、とシュンに抱きかかえられ、ベッドに押し倒された。ちゅ、ちゅ、と頬や額にキスを落としながら、彼は俺の服に手をかける。
「あの、シュン……聞きたいんだけど、なんで俺の名前知ってるんだ? 知り合い……じゃ、ないだろ?」
インナーを脱がされながら、先ほど抱いた疑問を口にした。
「んー? さっき呼ばれてたじゃん、ナギって」
「え、なんで俺だってわか……ンッ♡ ふ、ぁっ♡」
さらに疑問が増えるが、俺の下穿きも脱がし終えたシュンに乳首を舐められ質問は嬌声に変わってしまう。このアバターでは乳首に触れられるのは初めてなのに、くすぐったさは全くなくただ快感だけを拾った。NPC姦プレイヤーのときに開発された感度は、通常プレイヤーでログインしても引き継がれるようだ。
「乳首、感度そのまんまじゃん。わざわざ控えめな形にしてるから感度も弄ってるかと思ったけど」
「んんっ♡ ちが……あ~~っ♡ きもち、いっ♡」
彼の言葉を否定しようとするが、れろれろと舐められる舌の感触に口からは喘ぎ声しか出てこない。
たしかにアバターはかなり自由に設定できる。しかし、今のアバターは髪や目などは以前設定したものだが、身体自体は今の現実の俺を基に作られていた。ゲーム内では散々開発されまくった乳首も、現実の俺自身のものが再現されているのだ。相変わらず自分で弄っても気持ちよくなれなかったため、現実世界の俺の乳首は未開発のままだったりする。
「……で、さ。ナギ」
「ぁ、ふ……っ♡ ん、どうした……?」
胸の突起をこね回される快楽に身を委ねていると、唐突に名前を呼ばれた。
「さっきのヤツとすっごい楽しそうだったね……あいつともヤったの?」
聞かれた言葉の意味がすぐにはわからなかった。とろけかけた頭を振り絞って考えると、浮かんだのはマロンズの顔。俺のプレイヤー名について、呼ばれてたから、とは言っていたが、先ほどあいつと話しているところをシュンはどこかで見ていたようだ。
「あぁっ♡ まさか……っ、あいつとは、んぅぅ♡ 高校からの友達だから、ヤるわけ……、ふ、んぅぅ……ッ♡」
「ならいいけど。あいつじゃなくても、そういうオトモダチがいたらもう連絡取らないでね?」
「は、いるわけ……ぅぁ、噛むな……ォォ゛ッ♡ ンン゛ぅ゛……ッ♡」
かぷ、と硬くなった突起を甘噛みされて腰が跳ねる。もう片方の乳首も指でこね回されたかと思えば、きゅううっと摘ままれビリビリと快感が背中を走った。思わず汚い喘ぎ声が出てしまって慌てて手で口を塞ぐ。NPCの中に入っていたときとは違い、今出ているのは俺自身の声なのだ。
「なーにしてんの? 声聞かせてよ」
「ん゛ーん゛……ッ♡」
返事の代わりに首を横に振ると、はぁ、とため息を吐いたシュンが俺の腕を掴み口から離させた。彼の目が楽しげに細められる。
「あは、今さら恥じらったところで無駄でしょ」
「ン゛ッ♡ だめ、ぁ、あ゛ッ♡」
わざと汚い声を出させるためか、シュンが俺の乳首をつねったり押しつぶしたりしてくる。もう片方の手で口を塞ごうとするが、そちらも掴まれてしまう。俺の両手は、彼の片手にひとまとめに掴まれ、頭上で縫い止められた。ステータス初期値の腕力なので、力を入れても振りほどくことができない。
俺の抵抗なんてないかのように、シュンは楽しげに乳首への愛撫を続けながら――ふ、と笑った。
「いつも周りに人がいても喘ぎまくってたじゃん。2人きりのときはなんで駄目なの?」
「ん、ォ゛ッ゛♡ いつも、は……っ、NPCの、声だったから……、あぅ゛っ♡」
「……あー、そういうこと。あはは、気づいてなかったんだ? NPCのときも今も……おんなじえっろい声してんの♡」
「……は……?」
熱に浮かされた頭が、一瞬で冷えていく。だけど、彼の言葉を飲み込めない。いや、飲み込みたくない。
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