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番外編② 現実ではじめまして・前編②

 季春に連れられてたどり着いたのは、比較的新しく建てられたであろう綺麗なマンションの一室。リビングに通され、部屋に置かれた2人がけソファに座らされると、季春も隣に腰掛けた。 「やなぎ、こっち向いて?」 「なん……んっ」  言われたとおり彼の方に顔を向けると、とびきり綺麗な顔が近づいてきた。思わず目を閉じると、ちゅ、と唇に触れる柔らかい感触。ゲーム内で触れたときよりも、季春の唇は温かく柔らかかった。  季春は何度か唇を啄むようにキスをすると、ぺろ、と俺の唇を舐める。ゲームではもう何度もキスしていて、これが合図だと知っているから、ゆっくり口を開けた。 「うん、いい子……」 「んっ♡ ふ、んぅ……♡」  温かい舌が入ってきて、口内を余すことなくねっとりと舐めつくしていく。上顎を舌先でくすぐられて、腰が軽く跳ねた。舌同士が絡まるとすごくいやらしい音が耳を犯す。俺は季春の背中に腕を回して夢中でキスを堪能した。  気づけばソファに押し倒されていて、唇を離し上体を起こした季春が楽しげに俺を見下ろす。 「リアルでのファーストキスはどうだった?」  答えなんてわかりきっているはずなのに。俺は夢見心地で答えた。 「めちゃくちゃ気持ちよかった……♡」  俺の答えに満足そうに頷いて覆い被さってくる。額や頬にキスをしながら、彼はキスだけで張り詰めている俺の股間に硬いものを擦りつけてきた。 「季春も、勃ってる……」 「ん、だって……やっとキミの本当の身体に触れることができたから。ずーっと会いたかったんだ」  感触を確かめるように頬を撫でてくる手が気持ちよくて、俺からも頬をすり寄せる。こんなイケメンに会いたかったと言われるなんて夢みたいだが、身体に触れる彼の体温が夢じゃないことを教えてくれる。  俺の鼻頭にキスを落としたあと、季春が口を開いた。 「……もうちょっとゆっくりしてからベッドに行くつもりだったけど……いいよね?」  ライトを背にしているため影になっているが、季春の赤い頬が目に入る。同じくらい頬が赤いであろう俺も、ゆっくり頷いた。  *  急くように手を引かれながら寝室に入り、すぐにベッドに押し倒される。枕元に置かれたリモコンで部屋の電気を点けると、再びキスをしてきた。季春はキスの合間に器用に俺の服を脱がせて床に落としていく。俺も気持ちよさに身悶えしながらもなんとか彼の服を脱がせていった。  お互いの服を脱がせ終わると季春が上体を起こした。ほどよく筋肉がついた肢体と少し上気した頬があまりにも妖艶で目が離せない。 「えっろ……」 「それはこっちのセリフ。やらしい身体してるじゃん」  自分ではなんの変哲もない身体だと思うが、季春は妖しげな瞳で俺の身体を見つめながら撫で回してくる。すべすべとした手が胸に這わされ、むにむにと揉まれた。 「乳首開発してないって言ってたけど、ホントなんだねぇ」 「んっ……♡ ぁっ♡」  ぷっくりと存在を主張し始めていた小さな突起を指でつつかれる。相変わらず自分で触ったときはたいした快感を拾えず、あまり感じない乳首――だったはずなのに。彼の指が先端を弾くとビリビリとした快感が走った。 「ひぅっ♡ まって、気持ちい、あぁっ♡」 「よかったじゃん。現実の乳首もゲームみたいにいやらしく育ててあげるね♡」 「ゃぁ、っ♡ だめ、ひぁぁっ♡」  ゲーム内における俺の乳首は季春によって開発されまくり、すっかり大きく育って乳首だけでイけるようになってしまっていた。ゲームではどれだけ乳首がデカくなろうが感度がよくなろうが気持ちいいだけだしかまわない。だけど、現実の方はさすがに日常生活に支障が出そうだから勘弁してほしい。  そんな俺の思いをよそに季春が再び覆い被さってきて乳輪を揉みながら乳首に舌を這わせてくる。キャンディのように転がしたかと思えば、かぷ、と甘噛みしてきた。 「ゃ、乳首、おっきくなるのは、ぁふっ♡ まずい……ぁんんっ♡」 「えーいいじゃん♡ 下着とかニップレスとかで隠せば大丈夫だって。それに、エロ乳首になれば僕以外の前じゃ脱げなくなるでしょ?」  笑顔なのに目は笑っていない気がする。怖いような、独占欲のようで嬉しいような、よくわからない感情が胸に湧き上がった。 「温泉、とか……ぁ、ぁっ♡ 行けなくなる、ふぅ……っ♡」 「貸切風呂とかあるじゃん。あ、今度行こっか。誰にも邪魔されずに、2人だけでゆっくり入ろうね♡」 「ん、でもぉ、ふぁぁっ♡」  突起を強く噛まれて、反論の言葉が嬌声に飲まれる。それでも口を開こうとすれば、今度は唇をかぷりと噛まれ、そのままキスで口を塞がれた。 「んひゅ、ぁぁ♡ んぁ、んんっ……っ♡」  舌を絡め取られながら、両方の乳首を指で弄られる。親指と人差し指でつまんで扱かれれば腹の奥が疼き、指でピンッと乳首を弾かれればビクビクと腰が跳ねた。  すでにゲーム内で何度も触れられているため脳が気持ちいいことだと認識し、身体も素直に反応し季春から与えられる快感を享受し始めていく。思考もだんだんとろけ始め、もう乳首を開発されてもいいやという気持ちになっていった。 (ってか、季春、俺とどっかに行く気あるんだな……)  ふやけた頭の中にぼんやりと先ほどの彼の言葉が浮かぶ。少なくとも、現実で会うのはこれっきりということはなさそうだ。また会えると思うと、胸の奥にじわじわと温かいものが広がっていく。嬉しさと身体に蓄積されていく快楽で、たまらず季春の背中に腕を回した。 「ふふ、気持ちよくなってきた? 身体すごいビクビクしてる……ゲームみたいに乳首だけでイけちゃうねえ?」 「ゃ、そんな……あぁっ♡」  季春は唇を離すと、今度は俺の耳を甘噛みしてきた。直接耳に流し込まれる音と刺激で背中がゾクゾクする。  言葉では否定したが、身体の熱はどんどん昂ぶっていく。五感を通じリアルな体験ができるゲームで散々乳首イキをしてきたのだ。脳が記憶していっていてもおかしくはない。 「まっ、だめ、ちくび、ゃ……っ♡」 「ふふ、いいよ。乳首でイっちゃおうねぇ♡ 気持ちいいね……イこ?」 「ぁ、だめだめ……♡ ぁ゛、あ゛ぁ……っ!」  優しく囁いたかと思えば、季春は再び乳首に唇を寄せぢゅううっと思い切り吸い上げる。彼の言葉に従うように、身体が絶頂で震えた。

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