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番外編④ 壁尻トラップを使ってみよう⑦
ゆっくりと意識が浮上し、四肢に感覚が戻ってくる。VRゴーグルを外して上体を起こした俺は、下半身にかけていたバスタオルを恐る恐るめくった。
「……セーフ……」
「みたいだねぇ」
ほっと息をついた瞬間、隣からくすくすと笑う声が聞こえる。横を向けば俺と同じようにベッドの上で上体を起こした季春がいた。
覚悟していた事態が起こらず安心した俺は、いつも通りザーメンで汚れた下半身をティッシュで拭いて再びベッドに仰向けになる。天井が映っていた視界に季春が映り込み、目を閉じれば柔らかい唇が顔に触れる。
俺たちはベッドの上で下半身を露出させながら抱き合い、ねっとりと熱いキスを交わす。端から見れば滑稽な姿だろうが、この家には俺たちしかいないから気にすることはない。
防水シーツはこのあとまだ使うだろうから、ひとまずバスタオルだけ洗濯機に入れるかと考えていると、唇がゆっくりと離れていった。
「あーあ、ちょっと残念。おねしょしちゃって恥ずかしがるやなぎも見たかったのに」
「……絶対嫌だ」
あのあとトラップの解除時間までたっぷりと楽しんだため、俺はしっかりと壁を潮やおしっこで濡らした。解除後は現実での自分の状況を心配しつつも、トラップの周りを清掃の魔法で綺麗にしてシュンとともにあの場を去ったのだ。
順番待ちしていた2人の顔を見る余裕もなくファストトラベルを使用してさっさと家に帰り、すぐにログアウトして今に至る。
「別に漏らしてもいいのに。布団もシーツも洗えばいいだけじゃん」
「やーだ。さすがに布団は洗うの大変だし、それに……漏らすかもって気になってプレイに集中できなくなるだろ……」
今回は無事だったが、次回も漏らさないとは限らない。正直ゲーム内で開放感を味わった瞬間、終わったなと思ったくらいだ。一度や二度ですめばいいが、クセになってしまったらと思うとゲーム内での小スカプレイはできれば遠慮したい。
「じゃあさー……」
俺に覆い被さった季春が妖艶に微笑む。
「現実でなら……おしっこしてるとこ見せてくれる?」
アイドルみたいな甘いマスクで、とろけるような良すぎる声で――声と顔に似合わなさすぎる言葉を発する季春。俺のことをよくやらしいとか淫乱とか言うけど、こいつも十分変態だと思う。まあ……俺がやりたいことをよくわかってるから、こんな提案をしてくるんだろうけど。
「まあ……うん。現実でなら、いい。季春が興奮するならいくらでも……あと俺も見せてほしい」
「あは♡ じゃあ今度お風呂で見せ合いっこしよっか♡」
楽しげな声にこくんと頷いて返事をする。尻穴の準備をさせてほしいというお願いはまだ恥ずかしさと申し訳なさが勝って了承できないけど、おしっこを見せ合うくらいなら大丈夫だ。というか正直やりたさが心の中で高まってっている。
(あとは体内放尿とか……季春がいいなら……してもらおっかなあ……♡)
季春と一緒にやりたいことリストの項目がまた増えたなんて考えながら、俺はパンツを穿いてバスタオルを洗濯機へと運んでいった。
*
――後日。壁尻トラップにカップルで一緒にハマる人たちが増え、その結果ソロプレイヤーが壁尻トラップを探してさまよっている……なんていう情報をSNSで目にした。
まさかとは思いつつも、俺たちがあんな使い方をしたことがきっかけだったかもしれないと思うと、さすがに申し訳なく感じる。俺が犯され目的のソロプレイヤー側だったら運営に苦情を出していただろう。
なんて思っていたらやっぱりゲーム内で問題になったみたいで、そのすぐ後に家の家具に壁尻用の壁が追加される事態となった。
実装された壁尻用の家具に書かれていた説明文は、複数人で一緒に入ることもできます、だった。説明を読んだミメンチが、お前ら買うのか、とニヤニヤしながら聞いてきたので、考え中、と笑っておいた。
「この前みたいに一緒に入るなら僕は買ってもいいよ。今度は正常位で入って使うのもいいかもね」
「んー……へへ。ありだな……」
きっとそのうち、ゲーム内の俺たちの家にも壁尻用の壁がどこかの部屋の隅に設置されるだろう。
やりたかったプレイとは違うけど、シュンも壁尻を気に入ってくれたようでよかった、なんて思いながら、俺は今日も大好きな恋人や友人たちと一緒にこのVRMMORPGをいろんな意味で楽しんでいる。
(了)
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