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小話① 授乳手コキ①

 土曜日の昼下がり。今日はお互い特に用事もないから、遅めに起きてゆっくりと昼食を取った。それからリビングのソファでのんびりしているうちになんとなくいいムードになっていく。風呂場で準備を終えた俺が寝室に向かうと、季春が防水シーツやローションなどの準備をしてくれていた。  ベッドの上で向かい合って寝転がり、どちらからともなく近づき唇をくっつけ合う。 「はぁ……♡ な、季春。なんかやりたいプレイない? 仕事でお疲れな季春くんを癒やしてあげよう」 「えー? やなぎがやらしいプレイしたいだけでしょ?」 「へへ、バレたか」  クスクス笑い合いながら、互いの服に手をかけていく。脱がせた季春の服をベッドの下に落としながら、俺は口を開いた。 「まあでも、癒やしたいってのも本心だから」  下心はもちろんあるが、ここ最近季春が仕事で忙しかったのを知っているから、癒やしたいというのも本心だ。出社する日も多くて、さらに毎日残業。昨日ようやく一段落したとのことで、夕飯を食べて風呂に入ったあと気づいたら珍しく寝落ちしていた。  季春が多忙だった期間は家事を多めに引き受けるくらいしかできなかったので、なにかしらの方法で労ってあげたい。 「ふふ。えっちで癒やしてくれるなんて、やなぎらしいねぇ」  服をすべて脱ぎ終え全裸になった俺の上に、同じく素肌を晒した季春が覆い被さった。首筋や胸元に吸いついてくる唇の感触が気持ちいい。 「……だって、最近あんまヤれなかったし。で、せっかくなら、お前の好きにしてくれたらなーって、思って」 「あは。僕にめちゃくちゃエロいプレイを提案してほしいんだ?」    こくんと頷けば、ニヤニヤと意地悪い笑みを浮かべた季春に唇を塞がれた。唾液が口の端から溢れるくらいねっとりと濃厚に舌を絡ませ合えば、身体の奥が疼いてくる。互いの唾液や吐息がしっかりと混ざり合った頃、ちゅ、と軽いリップ音をさせ唇が離れていく。 「んー……僕はキミといちゃいちゃできればいいかな。えっちなしで、このまま裸でくっついてるだけでもいいって言ったらどうする?」 「えっ。それはちょっと……いやかなり困る……いやでも、季春がそうしたいなら……でもやっぱり……うぅぅ……」  ここまできてお預けはつらいが季春に無理もさせたくない。本気で悩んでいると、頭上から吹き出す声が降ってくる。 「あははっ。ごめん、冗談。淫乱なやなぎくんなら僕のこと押し倒してその気にさせるかと思ってさ」 「お、俺だって一応良心はあるからな……疲れてたの知ってるし、無理強いして困らせたくなくてだな……」 「ふふ、ありがと」  くすくす笑う声とともに、唇が顔中に押し当てられる。なんだか悔しくなってきて、かぷりと季春の下唇に噛みついてやった。何度か甘噛みしたあと口を開けば、両手で頬を包まれまた舌が口内に滑り込んでくる。 「ふぅ……♡ あぁ……♡ ん……っ♡」  熱い舌に歯列をなぞられ上顎を舌でくすぐられれば、ビクビクと身体が悶える。無意識に閉じていた目を薄く開くと、とろけるほどの甘さを孕んだ瞳と視線が絡み合う。  俺のことが愛しくてたまらないというような表情で見つめられ、心臓が壊れそうなほど早鐘を打つ。 「はぁ……♡ 季春……好き……♡」  唇が離れた瞬間、俺の口からぽろりと想いが溢れる。季春は頬を上気させ、嬉しそうに微笑んだ。 「僕も。だーい好きだよ、やなぎ♡」  甘すぎるイケボによる吐息混じりの愛の囁きに、俺の身体は燃えるような熱さを帯び、まんこが切なく疼く。  早く季春が欲しくなってきて、俺は彼の腰をすりすりと撫でる。 「季春……」 「あは、えっろい顔。物欲しそうだねえ」 「ん……♡」  再び季春の唇が首筋に下りてくる。鎖骨を舐め、またキスとともに唇が下りていき、ちゅ、と硬く主張する乳首に触れた。 「あぁ……♡ んぁ……♡」  ぬるぬると舌で舐られ、唇で乳首を甘噛みされる。ビクビクと腰を跳ねさせながら、俺は季春の後頭部に片手を添えた。彼の頭を優しく撫でた瞬間、ふと思いつく。 「な、季春……マジでしたいプレイないのか……? んっ♡」 「うん、とりあえず今はキミをたくさん抱ければそれでいいかな。……あは、なにか思いついた?」 「あふ……♡ 授乳手コキとか、どう……?」 「んー、なにそれ。またどっかから仕入れてきた知識?」  乳首から唇を離し、ニヤニヤとこちらを見つめる季春。授乳手コキについて軽く説明すると、左右の乳首を指で摘ままれた。 「ア゛んっ♡」 「ほんっと、やらしいんだから。いいよ、付き合ってあげる」 「へへ……さんきゅー」  付き合ってあげるなんて言いながらも季春の瞳は楽しそうだ。俺はさっそく、授乳手コキのための体勢を彼に説明した。

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