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番外編⑤ モンスター化の呪い②

 ぴったりと宝箱の蓋が閉じ、視界は真っ暗。蠢くなにかが身体に絡みついてくる。 (嘘だろ、さっき確認したのに……!? まさか中身更新でミミックに変わったのか……!?)  もしかして確認している最中に箱の中身が更新され、シュンはミミックに食われてしまったのだろうか。だけど先ほど見たステータスでHPに変化はなかった。  どうにかして状況を確認しないとと焦っていると、俺の身体に絡みついていたなにかが服の中に入ってくる。これはミミックの触手だ。  箱に牙が生えているタイプではなく、中にぎっしりと触手が詰まっている――エロいことをしてくるタイプのミミックの触手だと理解した俺は慌てて手足をジタバタさせた。 「おいっ、やめろっ! 触るな……っ! 俺にはシュンがいるから、モンスター姦は無理なんだ……!」  モンスター相手に言っても意味はないが、抵抗しながら必死に言葉を紡ぐ。昔だったら1回くらいはと受け入れていたかもしれないが、今はシュンがいるからやりたくない。 「だから……やめろって! くそ、こうなったら……!」  なおも身体をまさぐってくる触手。俺は自爆覚悟で攻撃魔法を打つしかない。 「ファイア……んぐっ!?」  炎系魔法を使おうとすると、触手に口を塞がれた。口を覆う触手を剥がそうと掴む。 「んぐ、ぐっ……んぇ?」  触手をどかそうと手に力を入れた瞬間――ぽんぽんと別の触手に頭を撫でられた。身体をまさぐっていた触手の動きが止まり、ただ頭を撫でてくる。  まるで俺をなだめようとするかのような動きに、戸惑いながらも抵抗をやめた。すると、触手が俺の手を取り、手のひらをくすぐってくる。 「っく、ふは……っ、なに……、え?」  ただくすぐってきたのかと思ったが、どうやら手のひらに文字を書いているようだ。そのことに気づき意識を手に集中させる。 「えっと……ぼ、く、シ、ユ、ン……? は、え? シュン……?」  シュンの名前を呼ぶと、また触手が頭を撫でてくる。まさか本当にこのミミックがシュンだというのか。  どういうこと、と声を漏らすと、また触手で手のひらに文字を書いてくる。 「す、て、ー、た、す……ステータス画面? さっき見たけど……」  首を傾げながら再度ステータス画面を開く。すると先ほどは気づかなかったが、シュンのステータスに呪いアイコンが表示されていた。  まさかと思いながら、俺は呪いの内容を解析できるアイテムをシュンのステータスに向かって使用する。 「……モンスター化の呪い……状態……ミミック……? は……マジか……」  ようやく理解して、俺はふっと身体の力を抜く。むにむにと頬を揉んでくる触手の感触がシュンのものだと思うと急に心地よく感じられた。さっきは気づかなかったけど体温もあるようで、彼に包まれているみたいだ。 「……で、どうやって解くんだ? 解呪アイテムあったっけな……」  シュンがミミックになってしまったことが判明したのはいいが、問題はどう解くかだ。持ち物を確認したが解呪アイテムは持っていなかった。おそらく彼も今はアイテムが使えなくなっているだろう。 「うーん……シュンを置いて解呪アイテム買いに行くしかないか……ん? なんだ?」  うんうんと唸る俺の頬を、触手がぺちぺちと軽く叩いてくる。再び手のひらに書かれた内容は、呪いの説明文を読んでほしいというものだった。  ちなみにまだ筆談なのはミミックだから喋れないうえに、ボイスを含むチャットなどのメッセージ機能が呪いの効果で封じられているからだ。 「えーっと、なになに……この呪いを解くには……」  ステータス画面を再度見て、呪いの説明文を読んでいく。読み進めていくうちに、俺の身体が少しずつ熱くなる。  すべて読み終えた俺は、ゆるりと口角を上げた。 「……つまり、呪いを解くためにはたくさんセックスをしろってことか……さすが、成人向けのVRMMORPG……」  説明文によるとモンスター化の呪いを解くためには、プレイヤーもしくはNPCの体内に一定量の精を注ぎ込まなければいけないらしい。  ――つまり俺はこれから、ミミックになったシュンと触手プレイをするというわけだ。これまで一応興味はあったけどやることはないだろうと思っていたから、正直めちゃくちゃわくわくしている。  俺はシュンの触手を手に取ると、ちゅ、とキスをする。 「へへ……シュン、俺頑張るからな……♡ 呪い、一緒に解こうな……♡」  身体の奥が疼いてくるのを感じながら、ちゅうっと触手の先っぽを吸う。ちゅ、ちゅ、とキスを繰り返していると、別の触手に頭を撫でられる。  優しい手つきに目を細めると、何本もの触手が伸びてきて俺の服を脱がし始めた。

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