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恐怖を越えた声7

 そしてレオニスさんの唇が俺の唇に触れてきた。軽く触れるだけのキス。それでも心が通い合っているから、とても気持ちよく感じる。そんなキスをなんどか繰り返し、でもどんどんと深いキスに変わっていく。呼吸すら吸われてしまいそうだ。そしてレオニスさんの舌が俺の唇をノックしてきて、俺はゆっくりと口を開けた。そうすると、レオニスさんの舌は俺の口の中を縦横無尽に暴れまわり、しばらくすると俺の歯列をなぞってきた。その行為に俺は立っていることができずに膝から崩れそうになると、レオニスさんが助けてくれる。 「寝室へ行こう」  低い声でそう言うと、俺の膝の後ろに手をやり横抱きにする。俗に言うお姫様抱っこだ。男でこんなことされるなんて恥ずかしい。 「レ、レオニスさん、下ろしてください。自分の足で歩けるから」 「そうか。それならドアを開けてくれ。あいにく私は両手が塞がっているからな」  と言うけれど、俺を下ろそうとはしない。そんなの俺を下ろせば両手あくだろって思うんだけど、レオニスさんは下ろす気はないらしい。なので俺は落っこちないように気をつけながらドアノブを回した。その後は、レオニスさんが足でドアを開ける。貴族がそんなことしていいのか? 思わずそう思ってしまうけど、俺にはなにも言えない。  一番奥の書斎から一直線上にあるレオニスさんの寝室と隣の俺の使っている部屋。レオニスさんは俺を抱いたまま寝室へと俺を連れて行った。レオニスさんの寝室は俺のすぐ隣だけど、入ったことはおろか、中を覗いたこともない。入ってすぐにリビング。そしてその奥が寝室になっているらしい。俺の部屋は一部屋だけだけど、レオニスさんの寝室は二部屋あることになる。すごいな。自分専用のリビングがあるなんて。そんなことを考えていると、レオニスさんはそんなリビングを横切り、奥の寝室にあるベッドへと俺をゆっくりと大事そうに下ろした。そんなに大事にしなくたって大丈夫なのに。でも、それよりも寝室に連れて来られたことで心臓が早鐘を打つ。これの意味するところはわかっている。つまり、そういうことをするということだ。俺の上にレオニスさんがのしかかり、再びキスされる。バードキスを何度か繰り返し、そして深いキスへと変わる。先ほども深いキスをしたけれど、今度はもっと深いキスで頭が痺れていくような感じがした。呼吸は奪われ、俺の口の中はレオニスさんの舌が縦横無尽に動き回っている。もう、苦しい。そう思ってレオニスさんの背を叩いて、もう苦しいと合図を送る。 「苦しかったか。済まない。嬉しくてつい……」 「呼吸全部持っていかれて苦しかったです」 「悪かった。でも、まだ終わりじゃないよ」  そう言ってレオニスさんは俺の服のボタンを外す。部屋の中は寒いわけではないけど、外気に触れた俺の肌には冷たく感じた。 「寒いか?」 「大丈夫、です」  俺がそう言うと、レオニスさんは俺の乳首に軽くキスをしたあと、舐めてきた。猫がミルクを飲むときみたいにぴちゃぴちゃと音がするのが恥ずかしい。でも、恥ずかしいだけじゃなく、くすぐったいようなそれだけじゃないような感じがして背筋がハネる。俺、感じてるのか? いや、男が乳首で感じるとかマジかよ。そう思うけれど、体で感じるのは隠せない。 「敏感なようだな」  掠れたようなレオニスさんが俺の耳元でそう囁く。それでもまた俺の背はハネて、ゾクゾクという。耳元で喋らないでくれ。初めてのことでよくわからなかったけれど、これが”感じている”ということなのだろう。俺はなにも言えずにいた。だってなんて言えっていうんだ。 「もっと感じてくれ」  再び耳元で囁かれ、俺は快感を逃すように左右に首を振る。乳首と耳元。それだけで俺の体は快感を拾ってしまっている。これで終わればいいけれど、終わらないだろう。だって、”もっと感じてくれ”なんて言うんだから。そんなことを頭の中で考えていると、今度は片方の乳首を舐めながら、もう片方の乳首は手で捏ねるようにされる。両乳首を同時にされたら、たまったものじゃない。 「や。ダ、メ」  とても自分の声とは思えない甘い声が漏れた。甘くて、掠れた声。それはまるで媚びているようだ。 「そうか。いいんだな」  俺はダメと言ったのに、レオニスさんは”いい”と言葉を変換して執拗に乳首を責められる。 「やぁ。乳首ばかり、イヤ……」  ベッドシーツを手で掴み、体を反らせる。初めて乳首をいじられているのに、こんなに感じるなんて思いもしなかった。でも、俺がイヤだと言ったからか、レオニスさんの舌は下へと下がり、ヘソへと行き、さらに下へと下がり、俺のオレに軽くキスをしてきた。 「ダメ……風呂入ってないから……」  風呂入ったって唇が触れるようなところじゃない。それが風呂に入ってなかったら余計にだ。だからダメだと言うとレオニスさんはオレから唇を離し、代わりに手で握ってきた。初めて他人の手が触れたことでオレはブルンと震えたあと、元気になった。

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