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第2話 「行きつけのバー」/「真紅のエメラルド」

身体の熱はまだ少し冷めず、Yutoは眠れなかった。 Leoは処理をすると、満足したのか早々に出ていった 「…少し散歩でもするか」 コテージの外に出ると、 潮の香りがふわりと鼻先をくすぐり、夜の湿った風が肌を撫でる。 まだ震える感覚を呼び覚ます。 遠くで波が砂浜を打つ音と、椰子の葉が揺れるかすかな音が混ざり合い、静かなリズムを作っていた。 足元の砂はまだ日中の熱を少し残しているが、柔らかな風がそれを和らげる。 胸の奥でうずく孤独も不安も、この風に乗せて少しずつ外に流れていくような気がした。 「…少し、落ち着くかも」 波の音に耳を澄ませながら、Yutoは静かに歩き出した。 コテージから遠く離れすぎず、でも自分だけの時間を確かめるように、砂浜を踏みしめて。 身体の奥の余韻に呼応して、胸の奥のざわめきが静かに波打つ。 目の前に広がる夜の海は、何も言わずに自分を包み込み、熱と孤独を同時に受け止めてくれるようだった。

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