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第2話 「行きつけのバー」/「真紅のエメラルド」

波の音が遠くで揺れる。 砂浜に向かってゆっくり歩くYutoは、なかなか眠ることができず散歩に出ていた。 その身に拡がる"熱"を冷ますように海風に身を任せる ふと、物陰から低い声が聞こえてくる。 耳を澄ますと、Milanの声だ。 「…相手はまだ島にいる。慎重にな 了解、こっちは俺に任せろ…」 何のことかは分からない。 ただ、声の端々から漂う緊張感。 少しのぞき込んだだけでも、Milanが普通の仕事じゃない話をしているのは分かった。 「…なんだろう、あの話…?」 何か危ないことに関わっているような気がして、心が少し引けた。 Yutoは、足音を波音に紛れさせ距離を取りながら様子を伺った。 目の前のMilanは、自分には気付かず、静かに電話を終えていた。 「でも…助けてくれたよな…?」 信じたい気持ちと、ほんの少しの恐れ。 Yutoは、その揺れる胸のまま夜の海を横目にに歩き出した。

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