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第3話 「事情」/「白とエメラルド」

「…今日はこれで終わりです。ご協力ありがとうございました」 女性と男が店を出ようと席を立った。 ちょうどそのとき、 Yutoのところに注文したコーヒーとトーストが運ばれてくる 「あ、ありがとうございます」 顔をあげたそのとき 店員さんの後ろに見知った姿が横切った え? 男ーーMilanが会計をしている 声をかけるべきか… いや、でも一人じゃないし そもそもそんなに親しくないし… そんなことを考えているとMilanはそのまま店を出ていってしまった 「お客さま、ご注文はお揃いですか?」 店員さんの声ではっとする 「あ、ええ大丈夫です」 店員さんが立ち去ろうとする 「あ、あの!さっきの人って常連ですか?」 思わず聞いてしまった…。 「…え?あ、ああ!いえ最近訪れるようになりましたよ」 店員さんは少し声を潜めて続ける 「なんでも、リゾート開発で来てるとかなんとか…噂ですけどね!」 リゾート開発? 「ここ10年でこの島はだいぶ変わりましたよ、さっきのような人の姿もよく見るようになりました。まぁ反対派もいますけどね…。観光客も増えたので恩恵を受けているのは事実なんですよ」 そういうと、やれやれと店員さんは去っていった。 なにやら島の裏事情はいろいろあるようだ…。 それより、Milanはリゾート開発関係の人だったのか… 昨日の海辺でのMilanを見て、勘くぐっていた自分にちょっと損をした気分になった。 まぁいいや、今は目の前の香り豊かなコーヒーとしっかり焼かれたトーストに集中して島のゆっくりと流れる朝の時間に身を任せよう。 Yutoはトーストにかじりついた。

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