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秀隆SIDE 2

学生時代彩愛は俺の自慢だった。 年を重ねる毎に増す儚さと色気。 学校行事や子供会等での親参加時、容姿端麗な彼は一際目を引いた。 義理とはいえ身内が褒められるのは嬉しい。 が、やはり目立つと出て来るのは人気。 老若男女問わず沢山の人達が彩愛に好意を寄せた。 見合いの話も来たが、彩愛は全て断った。 父が好きだからだ。 こんな時父はありがたい。 いつもは恋敵なのだが、父のお陰で彼は他者からの好意を受け付けない。 勿論その中には俺も入っているが、俺は一生掛けて彩愛を守り愛し抜くと彼の養子になった時から決意しているので希望が無くても想いを諦めない。 こうして俺達は互いに実らぬ片想いを続け、43と22になった。 高校になってスグの時偶然撮られた写真。 雑誌掲載と同時に何故か人気が出てそのまま読者モデルにさせられてしまった。 自分の顔は父に瓜二つな為余り好きじゃない。 時折彩愛が無意識に俺越しに父を見てしまうからだ。 声迄似ているらしく、たまに寝起きに間違われる。 とまぁ、整形したい位ムカつく顔なのだが、モデルは小遣い稼ぎにもなるし服も安く買えるしファッションセンスも磨かれるので色々都合が良い。 卒業後はファッションスタイリストになる道を選んだ。 モデル時に見る方々が格好良かったからだ。 彩愛に話すと応援してくれたのでモデルをしながらアシスタントをする事を決めた。 スタイリストになるには2・3年は勉強しなければならないが、その間に資格を取ったりセンスを磨いたり、ついでに他にも気になる事を色々していきたい。 俺の朝は毎日早い。 最初にシーツを洗い、シャワーを浴びて着替える。 因みにシーツは夢精のせい。 嗚呼、泣きたい。 その後は朝食を作り外出の準備迄してから彩愛を起こす。 彩愛は朝が弱く、起こしてもなかなか起きない。 寝惚けて目を擦ったり布団にしがみついたり寝言言ったりと可愛らしい。 余りの可愛さに口元に指を持っていくと口に含んでチュウチュウ舐めるし、頬や髪を撫でると甘える様にスリスリしてくる仕草は殺人級に萌える。 それを堪能したいが為に俺は毎朝3時に起きている。 就寝時間は1時過ぎだから実質2時間しか夜は寝ていない。 その為大学と仕事の休憩時間は殆ど寝ている。 睡眠大事。 「彩愛。彩愛起きて?」 たっぷり可愛い寝顔と寝惚ける姿を堪能し、起こす。 「おはよ…秀隆」 まだ覚醒してないからか眠そうな顔。 あ~あぁ、目ぇきちんと開いてないしヨダレ垂れてる。 それ舐めて良いかな?って変態か俺。 義理とはいえ俺の親で、働いている彩愛は人前ではきちんとしている。 なのでこんな姿が見れるのは俺だけ。 スッゲェ役得。 眠そうな彩愛を洗面所に連れて行き洗顔させる。 ふわふわのタオルで拭いてあげ、そのまま食卓に連行し朝食を摂らせる。 甲斐甲斐しく食事を与え、歯磨きさせ着替えさせ終わった頃漸く覚醒する意識。 介護だなコレ。 朝の彩愛は色々と抜けている。 俺の親になる前となったばかりの頃はきちんと目覚ましで起きて何もかも人並みに自分でしていたのに、甘やかしまくったらこんなになってしまった。 無理して笑顔を作り、明るく振る舞う彩愛が切なくて愛おしくて、少しでも負担を減らしてやりたいと思ったんだ。 料理・洗濯・掃除、最初はまだ子供だったし経験不足だったから苦手だった。 だが負けず嫌いな俺は必死に頑張った。 お陰で今では家事は得意分野。 なので我が家では家事は全て俺が担当している。 彩愛が愛し過ぎて何もかも俺がし過ぎたのが悪かった。 勿論最初は年上だし恥ずかしいし自分で出来ると嫌がられた。 だが根気強くゴリ押し気味に甲斐甲斐しく甘やかし続けた結果、彩愛は俺限定で最強甘えたさんになった。 家に居る間の彩愛は俺が居ないと何も出来ない。 外に居る時は冷静で何でも出来る隙のない大人なのに、家では俺なしじゃ生きていけない。 このギャップは最強に可愛い。 俺限定とか最高だ。 「ん、ゃ。ダメ、ヤダ…」 触れたらイヤイヤ弱々しく左右に首を振りながら嫌がるが、本気で逃げないのは快感を教え込んだから。 父に想いを寄せていた彩愛は回数は少ないが父と関係を持っていた。 因みに父が居なくなってからはずっと独り身。 俺は性の知識を得てからは長年彩愛を隠れてオカズにしていた。 整った父の顔と似ていたせいで物凄くモテたが、彩愛以外どうでも良かった俺は誰とも付き合わず一人寂しく処理し、夢精迄していた。 だが、ある日を境に俺は彩愛を抱くようになった。 可愛過ぎる彩愛が悪い。 一度触れたらもう我慢等無理な話。 父しか知らず経験も少なかった彩愛に毎日快楽を与え続けたら、逃げなくなった。 今では言葉で拒否りはするが、身体は完全に俺を求め受け入れている。

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