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第2話
次の日。
いつも通りの席に座る。
もちろん、黒木も同じ講義をとってる。
これからも仲良くしてーし、ちゃんと理由聞かなきゃな…
「あ…」
扉から黒木が入ってくるのが見えた
こっちを向かないところをみるに、まだ機嫌が悪いんだろうか。
あれ、でもこっちに来てる…?
「おはよっ!」
「え、は、はよ…」
ええ!?ふつうに話しかけてきたけど!?
半分放心状態である俺の隣の席に座る。
まるでいつものように。
昨日のことには触れず、喋ってることだって、今日も妹の見送りが可愛かったとか、来る途中ノラ猫にエサをあげたんだとか、そりゃもうこいつらしい話で、ああ、俺の負けだな。と思った。
この状況で自然と笑えてくるのは、やっぱ黒木だからなんだろうか。
それでも、なぜか違和感。
いつもと少し違う気のするこいつの笑顔は、妙に気になる。
「なあ黒木…」
「んー?」
「お前…昨日どうしたんだ?」
「…っ」
「怒ったのか?」
「ち、ちがうよっ」
「そっか…ま、言いたくないなら良いんだけどさ」
「…ごめんね」
「いーよ、今日どっか行く?」
「うん…っふ…」
「!」
「グスッ…」
「なっ、なに!どうした!?」
「なんでもっ…ないっ…」
「いや、え!俺?俺か!?」
黒木が泣いたのなんて初めて見た
「大丈夫、だからっ…」
「と、とりあえず出るかっ」
そのまま腕をひいて教室を出た
あんなに人がいるところじゃあ、なんにも話せないと思ったから
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