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第3話

人が来なそうな場所を見つけてそこに入った 「お前が泣くなんて…」 「ふぇ…ごめっ…」 「責めてるわけじゃねえよ…」 「……」 「なあ…どうしたんだよ黒木…」 「……」 「話してくんねえの…?俺たち友達だろ?」 「っ…ちがうっ…ちがうんだよぉ…」 「な、に…こんなに居て友達じゃねえとか」 「そ、そういうことじゃない…!!」 「じゃあ、どういうこと?」 思ったより冷たい声がでた 「言ったら…っ、嫌われる…」 「なんで…?」 「オレが…気持ち悪い奴だからっ…」 「なんだよそれ…俺そんなこと思ったことねえよ」 「でもっ…!」 「?」 「男に好かれるなんてっ…嫌でしょ…?」 「………はっ?」 今日初めて、しっかりと目が合った瞬間だった。 よく見ればぽろぽろと溢れ出る涙の下にはうっすらと隈ができていて、もしかしたら昨日あの後も泣いていたのかもしれない… 「オレはお前のことがっ…」 「…」 「好き、なんだよ…」 「……ま、まじでか…」 「…な?気持ち悪いだろ…?」 「そんなこと…」 「いいよっ、嘘つかなくて…」 「嘘ではねえ、けど…」 「嫌いになった…?」 「おまっ…なんでそんなこと言うんだよ!」 「言われたこと、あるしっ…慣れてる、から…」 「そんな顔して言うなよ…」 思いっきり傷ついた顔してるくせに、慣れてるとか…ほんとに俺のこと好きなのか…?って、この表情見ればわかるか… 「大丈夫だから…ばいばい…」 「……っ」 良いのか俺!? 大事な親友このままほっとくのか…!? 「ま、待て!!!」 「……なに?」 扉に手を掛けたまま、こちらを見ずに答える黒木に、胸がチクっとした 「わかった…俺に、時間をくれ。」 「え…?」 やっとこっち見た… 「ちゃんと…考えるから。」 「考えるって…」 「付き合うかどうか」 「!?」 「な?だから待って。」 「どうせ無理だよ…逢坂はわかってない…」 「そんなのやって見なきゃわかんねえだろ?勝手に決めつけんな」 「だ、だって…!」 「ほっとけねえんだよ!」 「っ…」 「俺にはお前だって大事なんだ。だから勝手に離れてったりすんなよ…寂しいじゃんか…」 「…………わかった。」 「そうか!良かった…」 「期待しないで、待っておくよ…」 「ちょっ…黒木…!」 「ありがとう…」 ___パシンッ 「まっ…!」 閉められた扉、まるで自分自身が拒絶されたようで、ひどく胸が痛かった。でもあいつはずっとこんな気分だったのだろうか。 せっかく彼女ができたのに、俺はなんてこと言ってんだろう。本気なのか自分… ちゃんとした確証があるわけでもないのに、こんな風に期待を持たせるのはいけないことだったかもしれない。それでも、あいつをそのまま放って置きたくはなかった。

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