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僕らの間には柵があり、詩雨は最後までそこを越えることなく立ち去っていった。
まるで越えてはならない、境界線のように。
いつかここを越えてくる日がくるのだろうか。
「『今度』はいったいいつになるんだろうな、三年後か五年後か……」
冬馬はふっと笑った。
寂しげな表情はもうなく、どこか晴れやかな顔をしていた。
それでも腕を組んで歩いていく二人の後ろ姿を長いこと眺めていた。
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「……そろそろ続きをしてもよいでしょうか?」
気づけば、どれくらい自分の世界に浸っていたのだろうか。
冬馬はベッドに肘をついたまま、さっきと変わらない微笑みを向けていた。
(そうだ……二人の間にどんな絆があろうとも、この男は今僕のものだ)
僕は思い悩むのは止め、彼の首に自ら腕を絡めていく。そして、彼の唇に自分の唇を押しつけた。自分からしていくことはあまりない。離れて彼の顔を見ると、
「いきなり煽ってきやがったな」
低く唸るように言い放つ。穏やかさが消えて雄の顔になる。
離れた顔はすぐにまた近づいた。今度は冬馬から口づけてくる。しっかりと押しつけられ、吸い上げられる。
そうしながら彼は僕の上に覆い被さってくる。彼の重みを感じる。
素肌がぶつかり合って気持ちがいい。
息ができないほど口づけを交わし合い、僕は冬馬を誘い込むように唇を薄く開けた。
冬馬の喉元が鳴ったような気がした。それを合図に舌が口内に入り込み、口腔内を舐め回す。舌が絡み合う。
大きな手に素肌を撫で回されるとそれだけで全身が粟立ち、胸の突起をきゅっと摘まれれば身体の中心がひくっと反応する。
すっかり慣らされた肉体はもうすでに期待に打ち震えていた。
四十近くなった今でも冬馬の身体は鍛えられていて美しく体力もあり、セックスにも精力的だった。
僕はそれが嬉しい。求められている、愛されていると実感できる。
そう、冬馬がこうして触れるのは僕だけ。けして詩雨ではない。
過去も未来も。
僕は今、幸せなのだ。
「ん……っ」
声を上げたくても口が塞がれていて喉の奥に籠る。外に発散できない快感が内側に渦巻いている。胸を弄っていた手はもうすでに腹を下り、内股を撫でていた。
直に熱に触れないその手がもどかしく、まだ触れられてもいない秘所までが疼き始める。
「んん……っんー」
息が苦しい。
頃合いを見計らって長い長い口づけは解かれた。
先に進んでいった手を追うように、冬馬の唇が肌を伝う。
顎から喉元を舐め、鎖骨辺りをちゅうと吸い上げる。おそらく紅い痕がついているはずだ。
そこかしこにつけられる所有の印も嬉しい。
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