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第5話 宗近の表情筋。

 ポスターの君……もとい岩永 誠人警視正と知り合えたが、まさか自分のような巡査が警察庁から仕事を任されるとは思っていなかったため、宗近は緊張で身を固くした。  若手巡査の中に一人知っている顔の巡査部長が加わってくれたことに有難さを感じていた。 「俺まで制服で来るんじゃあなかった……」  宗近の上司小川 大和(オガワ ヤマト)巡査部長は後悔で顔を歪ませている。  その二人は防弾盾を所持し、制服の下に防弾ベストを着ていることから、事件の犯人は銃を装備していることがわかった。 「それにしても丸石はこんなときでも仏頂面だな。緊張しないのか」 「いえ、緊張し過ぎて硬直しています」  今更だが丸石 宗近の内心はこんなにも感情豊かだが、見た目は表情筋が発達していなかったため感情が表に出にくい人種だった。  表情筋は発達していなくても、身体の筋肉は発達しているため、スタイルが良く、顔もハンサムといえるくらい整っていた。  小川すら未だに宗近の性格を勘違いしているところがあるくらいだ。 「ポスターで制服警官だったので、キャリア組だと思ってなかったです」 「誠人のことか?あいつは見た目だけは良かったから広報に頼まれて撮影したのが、丸石にやったポスターだ。当時は掲示板から盗まれたりしてたな」  確かに宗近もポスターを初めてみたとき、正直盗ってしまいたい衝動に駆られたことを思い出した。 「憧れだけにしとけ、丸石。誠人には近づかないほうがいい」  まるで岩永には気を付けろ、と、そう忠告しているように感じ、ポスターの君には何かあるのかと俄然興味が湧いてきた宗近だった。  岩永のことなら何でも知りたいので直球で質問を投げた宗近だったが……。 「岩永警視正には何かあるんですか?」 「……うん、まぁ、なんだ。この話の続きは仕事が終わったらだ」  はっきり言うタイプだと思っていた小川の言葉のキレが悪い、ということはさぞかし説明しにくいことなのだろう。  続きの話が気になった宗近は、今日妄想のように殉職するわけにはいかない、と、そう思った。

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