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第14話 宗近のお願い。
まさか岩永 誠人の違和感はこれだったのか、それならば知っている小川の忠告も納得せざるをえなかった。
そして丸石 宗近でも、一介の巡査がさすがに目上の上司 にはとても逆らえない。
だが事件解決のご褒美ももらえず、そのまま尻を掘られるのは嫌だと思った宗近は、三度恐る恐るお願いをした。
「岩永警視正。俺、一度だけでもいい、……貴方を抱かせてください」
『せめて一度でもいい、岩永を抱いてみたい。俺のほうが抱かれる側の運命なら、礼と称して一度抱かせてくれないだろうか』、と、そういうつもりで言ってみた。
「僕が君に抱かれるなんて、……不服だな」
やはり駄目か、宗近はそう思ったが、続けられた言葉は予想外なものだった。
「不服だが君には借りがあるしな、一度だけなら考えてやる。それで君への『礼』が返せるなら、安いものだ」
岩永の玩具にされる前に、自分は岩永を抱かせてもらえる権利を得た宗近の心の中は喜びで涙を流していた。
「ありがとうございます」
本当に感謝していたが、やはり鉄面皮の宗近の表情筋は死んでいたので、岩永にすら感情が読めなかった。
「僕をセックスで組み敷きたいと言ってきた輩は少なからず存在していたけれど、実際には君が初めてになる。くれぐれも酷くするなよ。酷いようだったら……殺す」
岩永から殺気を込めて睨まれても、今の宗近には全く効果はなかった。
受け身とか攻め側とか、この際どちらでも構わない、あの憧れのポスターの君 と身体の関係が持てるという、その事実が丸石 宗近のこれからの原動力となるのだろう。
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