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第17話 勘違い。

「丸石、……ちょっといいか?」  宗近が制服に着替えていると小川に声を掛けられた。 「おはようございます、小川巡査部長」  昨日の岩永と通院したときのことを聞きたいのだろう。 「誠人のことなんだが……。お前あの後大丈夫だったか?」  やはり小川は宗近の身体と尻穴の心配をしていた。 「大丈夫でした。怪我人には無理強いはしないようです」  そう、岩永は怪我人を無理やり襲うようなサドヒストではなかったし、まぁ、怪我が治ったら容赦なく尻を掘られるだろう。 「誠人には内緒にしてやるから、別の署に行けるように人事に言ってやろうか?」  小川は本当に良い上司だと宗近の心が温かくなったが、それよりも大問題があるのだ。 「警察官って風俗行っても大丈夫ですよね」 「まさか……。丸石、お前っ?!」  とうとうソッチ系(マゾヒスト)に目覚めちゃったのか?!、と、続けようとしたが、それよりも早く宗近はボソッと言った。 「俺、そういう経験がなくて。でも岩永警視正とどうしても関係を続けたいんです」  そう、彼は男どころか異性とキスもまだだし、性行為すらまだなのだ。  なんとしてでも岩永を上手く抱いてイイ思いをしてもらわなければ、確実に自分は殺されるのだ。 「いや、……丸石。お前、無理やりソッチ(マゾ)の経験積まなくてもいいんだぞ?!」 「でも、さすがに下手なのは不味いので」  岩永を複数回抱けるかもしれないチャンスなのだ、なんとしてでも玄人並みのテクニックを習得したかった。 「……そうだよな。……何も経験がないのに、あの演技は出来ないよな」 「小川巡査部長、少しレクチャーかアドバイスもらえませんか」 「スマン!!……俺にはとても無理だ!!」  小川は何か勘違いをしていた。  無理はない、宗近は鉄面皮で言葉足らずなのだから。

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