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第18話 役に立つ鉄面皮。

 その日から宗近は悶々と考え込み、時間がありさえすればスマホでセックスの仕方を調べていた。  自分が抱くのは岩永(オトコ)、そしてチャンスは一度きりなので、後悔のないように同性の抱き方を調べ尽くしていた。  男には前立腺という器官があり、そこを刺激すると善がってしまうほど快感を拾えてしまう。  直腸を使うため、行為をする前に排便を促し洗浄が必要なこと。  直腸にも稀に快感を拾える箇所があること、そして肛門は筋肉の塊で、受け身がオーガズムすることで、その筋肉が締まり骨折するほどの圧が掛かるなど。  要するに男同士のセックスでも快感を拾える可能性はゼロではないことを知った。  ということは、もし本当に自分が抱かれる場合も運が良ければ気持ちがいいかもしれない可能性がある。  『抱かれるのは嫌だけどな……!!』と心の中で宗近は叫んだ。  『例えどんなに調べあげても実践しなきゃ経験は積めない、一体どうする?!』、と、こんな不純なことを考え調べたとしても、さすが鉄面皮と呼ばれていたことは伊達ではなかった。  まわりの婦警達は真剣な面持ちでスマートフォンを触る宗近の姿に見惚れていた。 「……彼女にメール返してるのかな」 「あれだけカッコイイんだから、……やっぱり彼女いるよね」 「逆にいないかもって思うほうがおかしいのよ」  まさか影で自分がモテていることすら宗近は思っていなかったし、自分の容姿が良いことすら気付いていなかった。  そして彼のこの姿を見て心配する上司(オガワ)もここにいた。  小川はコッソリと岩永にメールをした。  『丸石 宗近は相当思い詰めている。くれぐれも優しくしてやれよ、誠人』。

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