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第22話 気まぐれ猫みたい。

 『これから僕を抱かせてやるから、付いて来い』だと?!  なっ、ななな……なんてエッチな言葉なんだ!!、と、宗近は心の中で発狂していた。  だが、これでも宗近の鉄面皮ハンサム顔は崩れることはなかった。  岩永が連れてきたのは極普通のビジネスホテルだった。  受付のスタッフは岩永を知っているのか、余計なことは何も言わずルームキーを渡してきた。  岩永は宗近が自分の後ろから付いてきているのを確認をしながら一緒のエレベーターに乗った。 「俺は抱かれるのは初めてだ。優しくしないと殺す」  岩永はエレベーターの六階を押すと、エレベーターはゆっくりと動き出す。  宗近は口から心臓が飛び出るのではないかと思うくらい緊張していた。  優しく出来ないと殺される、その前に自分には経験がない、そのことを事前に伝えるべきか、それとも隠して玄人のフリをするか。  そうこうしているうちに六階に付き、部屋の前まで来てしまった。 「……何故話さない?丸石は俺を抱きたいんだろ、何か言え」  何か言わなきゃならないなら、と、宗近はボソリと言った。 「岩永警視正が可愛いと思いました」  まるで猫のように気紛れで、そしてちょっとデレることろが可愛いと思った。  子供っぽくもあり、それよりも猫っぽいと思った宗近は岩永の頭をヨシヨシと撫でた。 「やめろ!!……嬉しくもなんともないっ」  ルームキーで開いたドアから部屋に入ると、そこには割と大きなベッドとサイドテーブル、ユニットバス、そして小さな冷蔵庫にテレビ、いたって普通のビジネスホテルだった。  それなのに岩永がその空間にいると、とんでもなくエッチな自分になってしまう宗近は、そんな空間を空気を気付かれないように味わっていた。

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